第8章 4枚の婚姻状
仁美は腕を伸ばして、天元の首元に巻き付けた。
彼の口付けを受け入れながら、再び律動が始まった、
天元の太い腕に抱かれて、仁美は鬼殺隊に入ってからずっと、この腕に縋っていたのを思い返した。
彼に側にいて欲しいと縋りながら、その腕は何度もこうして自分を包み込んでくれる。
「あっああっ…天元様っ!!」
何度も何度も彼の腕の中で達しても、その腕が緩まる事は無い。
やがて更に天元の律動が激しくなり、その快楽に仁美は体を反らした。
逃げる様に反れる仁美の体を、天元は更に自分の腕の中に押し込める。
それはとても官能的で、仁美はいつまでもこの腕の慈悲に縋っていくのだと思っていた。
発作が起きたら優しく抱き締められて、たまに様子を見に来る。
彼には妻が3人居るが、きっと仁美が望めば本当に彼の妻にしてくれるのだろう。
「… 仁美…。俺の元に来い。」
激しい呼吸の熱の合間に漏れた言葉。
仁美は体を揺さぶられながらも、そのこもった声はしっかりと聞こえた。