第7章 鬼の宴
ヌルッとした童磨の舌が唇を割って入って来た。
仁美は嫌悪感を感じながらも、先日の様に抵抗する素振りを見せなかった。
それが無駄な抵抗だとやっと理解したのだ。
「…俺だって仁美の事を1番に考えているよ。人を喰っている所を見せてしまって仁美を怖がらせた事だって分かっている。」
童磨はそう言うと仁美の顎を掴み顔を猗窩座へと向けた。
仁美はその時にようやくこの部屋にもう一体鬼が居る事に気が付いた。
紅梅色の髪の毛に、人間の肌の色とは思えないその風貌に、すぐに彼が鬼だと気が付いた。
「猗窩座殿は女を喰わないし殺す事もしない…。それなら仁美は怖くないだろう?」
その言葉で仁美は次の相手がその鬼だと理解する。
童磨は猗窩座を選んだ事が仁美を大切にしている証だとでも言う様に仁美を伺った。
「本当は俺が仁美の体を慣らしてあげたかったんだけど…仁美に心を奪われてしまったから体の変貌が治らなかったんだ。」