第6章 虹色の目の無神論者
その自尊心を踏みじられる行為にまだ涙が出た。
この快楽に慣れてしまった悍ましい体の様に、自尊心さえ無くなってしまえばいいのに。
「…仁美。体が快楽に溺れる事を恥じなくていい。」
童磨は泣いている仁美の涙を指で拭いながら言った。
「君の旦那様も泣く娘よりも与えられる快楽に悦びを魅せる娘を気にいるさ。」
童磨の口付けを受けながら仁美は考えた。
彼を受け入れられない未熟な体を許せないほど、私は彼を失望させてしまったのだろうか。
鬼を受け入れる為の体を慣らすのに、何故彼ではなく他の鬼が必要なのか。
(旦那様は私の体に変貌してしまった…。)
自制を強く保ってはいたが、彼の体は鬼化してしまった。
一方童磨は、仁美の体に興奮はすれど、自身の体を変貌する事は無かった。
仁美はその時にやっと気が付いた。
ああ…私は…。
あの時に旦那様を悲しませてしまったんだ。
無惨は最後まで行為を受け入れたいと言った仁美の望みを叶えた。