第3章 なかよし
翌日
4月Ⅱの水の日
朝に魔法塔からミへーラフィ侯爵邸へ行き、
今日から開会の日まではデビアン帝国の方々の街の案内を中心に一緒に過ごすことを伝えるために養父のズイキに報告へ行った
「はぁ……」
その時のことを思い出して溜息をつくマキア
吸っていた葉巻を灰皿に置いたズイキは嬉しそうに
『良いではないか!デビアン帝国の連中がお前を気に入ったみたいでな!』
『お養父様(おとうさま)…そのような言い方は…』
『ワシを含めて兄たちでさえ、あの魔族共を見て悪寒が止まらず恐怖で引きつったというのに…お前はないのか?』
『威厳がありますがデビアン帝国の皆様は人間と変わりません。容姿が人間とは違うだけです。』
『フンッ!偉そうなことを……』
『お養父様……』
『もともと奴ら(デビアン帝国の方々)を自由に街に歩かれては困るからお前がいるなら監視含めて良いだろう…開会パーティーにはしっかり一緒に奴らをお連れしろよ?』
『監視だなんて……交流をと思って…』
『それなら今後のために繋がりを持て!デビアン帝国は鉱物や魔国の薬草等に高値がつくと聞く』
『まだそこまでは…』
『それをできるようにするのが!お前を滞在のサポート役にしたんだろ!!』
朝からよく出る大声のズイキに耳が痛いと感じるマキア
『分かりました。ですが…デビアン帝国の方々のことをよく知ってからビジネスの話になりますから。そこは順序が必要なのをご理解ください。』
『分かっとる!せいぜい仲良しお友達ごっこをしろ!いいな?!』
=ガタン!!
馬車が大きく揺れる
「すみません!石を踏んだようです。」
そう言いながら申し訳なさそう声を掛けてきた御者
「大丈夫よ。気を付けて進んでね。」
優しくマキアは返事する。