第3章 なかよし
「あっ、シクロスキー卿……気に入った?」
そう聞き返すマキアに頷くレンヒ
「うん。今日会ったばかりなのにさ。魔族は人間に怯えられたり怖がられたりするんだよ。だから、担当だとしても普通に接してくれるじゃん?ミへーラフィ侯爵令嬢は?」
「そんな、怯えるとかなんて全く!」
「だからいいんだよ。魔族の全員が人間嫌いとか無いんだよね。だから仲良くなりたくて、あんなワガママ言ってるのよ。」
「そう……なのですね。」
「だからって、予定より随分早く来てしまったのは僕たちだからさ。無理しなくていいの。ただ、少しだけ彼女達と仲良く遊んで欲しいんだ?」
「仲良く………」
その時にふと頭に過ぎったのは……
幼き頃に魔力が多くコントロールが出来ずに友人を怪我させてしまい、それから友人が出来なかったこと。
養女となりミへーラフィ侯爵家では、同年代の女の子達との交流はあっても、見てるのは魔力と侯爵家という肩書で友人と呼べなかったこと。
それらを思い出しながらも
マキアは人差し指を顎に乗せて考え込む……
開会パーティーまでのやることと言ったら、最終確認だけ
その最終確認も連絡を取り合えれば困ることはないし。
何より、養父よりメインで指示されたのはデビアン帝国の方々の滞在のお相手
ならば別に…………
「ご案内大丈夫ですよ。」
そう言いながら微笑むマキアに、
驚きながら笑顔になり近寄るエマリビア皇太子妃
「本当に??いいの?」
「えぇ!大丈夫です。」
微笑むも心配そうに見るビィナ
「大丈夫なの?無理してない?」
「いえいえ!無理じゃないですよ。」
一番驚いて、説得していたギルヴァは、ため息吐きながら
「お人好し過ぎるにも程があるぞ?令嬢」
「いえ、無理もお人好しとかじゃなくて……」
「なくて?」
聞き返すギルヴァに頬を赤らめるマキア