第11章 かいかいぱーてぃー
「ミへーラフィ侯爵様には、
開会パーティーが始まる前にご挨拶をしました。
期間延長の発表後にも直ぐにお話ができまして…
マキア様をお支えしながら…
副長としての仕事をするのでご安心ください。と伝えてあります。」
「そうですか…
いつもありがとうございます。デニス副長…」
「いえいえ…ミへーラフィ侯爵家の家臣の一つ…
デニス伯爵家として…魔法塔の副長として…
出来ることを伝えただけですよ。
マキア様の方こそ
デビアン帝国の皆様がいらっしゃる中で…
リサンド魔法塔長のこと…ありがとうございます。」
デニス副長の言葉に手を横に振るマキア
「見つけたのは、先程までいた塔員の皆ですよ。
私は…デビアン帝国の皆さんに、ご迷惑をかけないよう行動しただけです。」
「確かに見つけたのは塔員の皆さんです。
でも、マキア様だから逃げないでくれましたよ。……ですよね?リサンド魔法塔長」
デニス副長がリサンドに声を掛け
腕輪を見ていたリサンドは腕を組み
「まぁ、副長達の誰か来たらと考えていたけど…
たまたまマキアが居たから、遊びたくなったのよ。」
「遊びたくって……」
呆れるデニス副長
マキアは微笑み
「遊べてよかったですよ。
久しぶりに水属性の最上位召喚獣を呼べましたから…」
「てっきり、光属性であるレライが出てくるかと思ったんだけどねぇ……」
「レライだったら、リサだと分かった時点で噛んでますよ。」
「げっ……それは……困るわ。」
首を横に振るリサンド
マキアは一呼吸置いて、パンッ!と両手を叩き
「そろそろ……私達も会場に戻らないとなので…
クイト卿…デニス副長…
リサンド魔法塔長をお任せしていいですか??」
デニス副長は頷き
「分かりました。たぶん会場に入ったら…
他の副長達とすぐ合流出来ると思いますので…
それまでクイトさんをお借りします。」
クイトがリサンドに微笑み
「リサンド魔法塔長、開会パーティーの用事が全て終わって
帰る時に腕輪を外しますね。
ご自身で外そうとしたら直ぐに分かりますからね?」
「アンタ……本当に逃がす気ないわね。」
「部下の研究に協力してくださる…優しい魔法塔長で嬉しいです!感謝します。」
リサンドはクイトを睨むも
クイトは笑顔でいる。