第10章 がいこうかい かいし
「それが転移魔法鉱石の話か……」
ギルヴァの言葉に頷くガエテ皇太子
「よくその話をしましたね?国の秘密情報にもなりますよね?」
「それは私も思ったわ!更に怪しかったわよ。」
ビィナの反応に、エマリビア皇太子妃も頷く
「エドウィン皇帝の考えは分からないけど、転移魔法鉱石の話が嘘だったら、その場で一気に3カ国を敵に回すよ……」
「レイミセイ大国、テイツチ大国、そしてデビアン帝国……3カ国が一気に敵に回ったら、同盟国の協力があったとしてもヒューニンザ帝国は大打撃になる。それはヒューニンザ帝国も避けたいだろうよ。」
ガエテ皇太子の話しに、ギルヴァは考えながら話す
「まぁ、だから嘘ではないと思うんだけど、昨日は話の場だけで魔法鉱石の実物を見てないからね……流石に僕達含めて各国それぞれが相談の時間を希望したよ。」
「アラバサ皇帝陛下は…なんと?」
「最初は驚いていたし信じてなかったよ。でも、転移魔法鉱石の提供をしてくれるのは、良い機会と考えてね……嘘だったりしたら即日で帰国していい。それで軍を向けるって言ってたよ。」
「ほぅ……さすがはアラバサ皇帝陛下だ。」
軽く笑うギルヴァ
そこにレンヒが溜め息つきながら通信から戻ってきた
「もー!ダメだ!通信の為に魔力流してても聞こえないよー」
「会場の人数と、混乱があるから当たり前だろ。」
「ギルヴァ、そう言わないでよ!チャンスあるかもだろ?……それより…軍って聞こえたけど……マキアちゃんはショック受けない?」
聞いてきたレンヒに、話をしていた魔族達は扉近くにいる方のマキアを見る
控え室は広いとしても静かな空間に話しは聞こえるのは当たり前で……
マキアは立ち上がりミルアを抱えたまま、話をしている魔族達の方へ歩きながら
「レンヒさん、お気遣いありがとうございます。ですが、外交会延長と魔法鉱石の事が嘘で、他国が敵に回ってもエドウィン皇帝陛下が招いた事なので自業自得かと思いますよ。」
「ヒューニンザ帝国の民にしては冷めてるな?マキア」
「ギルヴァ様、民としてエドウィン皇帝陛下に従いますが、魔法塔所属ですから……本心は突然の発表に怒りがありますよ。」
マキアの微笑みに怒りの感情が大きく割合を占めていた。