第8章 いしゅぞく
ギルヴァの言葉に、マキアが何か言おうとしたが目配せし握っている手に優しく握り直して制したギルヴァ
ボルツは動揺した顔で頭を下げながら
「申し訳ございません。ガイベルド大将軍閣下」
そう呼び直したのを聞いたギルヴァはククッと笑いながら
「いいさ。少し驚いただけだ。別にどちらで呼ぼうと間違いは無いんだからな。」
それに…と言いながらマキアの手を恋人繋ぎにして
握ってるマキアの手の甲に唇をつけ
「俺の大切なパートナーであるマキアの家だからな……気にするな。」
ギルヴァの一連の行為に、マキアは頬を赤らめ
クレーメは、まぁ!と言いながら驚き
メイド達と従者達はザワつき
ボルツも見て驚くも咳払いする。
マキアも軽く咳払いをしながら
「お義父様とお義母様はどちらに??…クレーメ」
名を呼ばれて、はい!と返事をしたクレーメ
「裏の庭園にご用意させていただきましたので、ご案内致します。」
その言葉に
メイド達と従者達は端に寄り
クレーメが先を歩き、手を握ったままギルヴァとマキアも歩き出す。
庭園へ向かうまでにも色んな花々が咲いてるのを軽く見るギルヴァ
「デビアン帝国では見かけないものばかりだな。」
「そうですね……ヒューニンザ帝国で人気の花々を揃えております。義母とハミア義姉様が花が好きなので力を入れてますね。」
「ほぅ……」
「それよりも…何故…先程のことを?」
小声でさっきの手の甲のキスのことを言ったマキアに笑いながら同じく小声で
「威圧感剥き出しで恐怖よりかは、アレのがある意味でマキアのことを何か言うような使用人は居なくなるだろ。」
「え?…私のために?」
「主の1人でもあるマキアの出迎えに真摯に取り組んでるのは一部なのが気配で分かったのさ…」
だから…と言葉を続けるギルヴァ
「俺ほどの奴がマキアを大切にしてると分かれば、無礼で嘗めた態度なんか取ろうものなら俺の耳に入ると思うはずだ……そうそう馬鹿なことするのはいないだろ?」