第7章 てがみ
マキアは小瓶を両手で持ってると、
ギルヴァは空いた片手の親指を用意したナイフに当てて血を出し2滴程を魔力水の小瓶に入れた
もともと透明なのが血が入って少し霞んだ色になる
「ガエテ皇太子が教えてくれたんだ。」
傷を治癒で治して小瓶を貰い回して混ぜながら話すギルヴァ
先程の夕食後にて
『種族が違う者同士のスヴァガルは直接の血のやり取りだと体質的に弱い方のが負荷になり下手したら拒絶反応になってしまう。だから細心の注意が必要なんだよ。』
そう説明するガエテ皇太子に
頭を掻きながら反省するギルヴァ
『だからマキアだけに負担がかかったのか…』
『そう!だから魔力水で薄めて飲ませてみて。大丈夫そうなら血の量を増やすか、血を出す場所を変えて濃くしたのをまた薄めるんだよ。』
『大丈夫そうってゆーのはどう判断するんだ?』
『昨夜起きた症状は血をそのままだったから負荷があったと思うんだ。だから普通だったり軽い症状なら大丈夫と思っていいよ。』
『そうか……って、詳しいのなんでだ??』
『あぁ、父上(皇帝陛下)の側妃の1人が人間だった時あったんだよ。』
『人間だった?!俺は聞いてないぞ?』
『そりゃそうだよ。皇女を1人産んで直ぐに人間の国に帰っちゃったもん。皇族としていたのは2年くらいだからね。長く軍にいたら関わること無いでしょ。』
『それもそうか……』
……と、ギルヴァはガエテ皇太子との会話を話した
「側妃殿下のお1人が人間だったとは……それで別種族に対してのスヴァガルをガエテ皇太子はご存知だったのですね。」
「まぁ、側妃については国同士の繋がりの為に他種族が居るのは知ってたけどな。まさかの方法に俺も驚いたよ。」
だからと付け加えたギルヴァは混ざった小瓶をマキアに渡す
「昨夜のようなことは無いはずだ……怖かったら全て飲まなくてもいい。」
そう優しく言ったギルヴァに
マキアは微笑み、躊躇うことなく小瓶の中身を一気に口に入れて全てを飲んだ