第6章 しょうじょ
「そう!魔族のちょっと偉い人だよ。お嬢さん、お名前は?」
「グスッ……」
名前を聞かれて片手でミルア似の猫のぬいぐるみを持ちながら、片手で涙を拭き
膝を曲げてお辞儀をするマキア似の少女
「マキアよ。マキア・シンディって言うの。」
名前を聞いて確信した。
この少女はマキアの少女時代の写しだ。
ギルヴァは驚くとそれに不思議そうに首を傾げるマキア少女
「あぁ!ごめんな?似てる人がいたんだ。マキアちゃんは綺麗なお辞儀をするんだな?いくつだ?ほら……立ってないで座りなさい。」
そう聞きながら、胡座で座ったギルヴァの向かい側の床をポンポンと叩くと
正座をしてちょこんと座るマキア少女
「今は……その……7歳よ。マナーの先生がいるから勉強してるの。」
「……?……そうか…7歳からマナー?早いもんだな?」
「他の家は分からないわ。でも、シンディ家は……えっと……辺境男爵だから、きちんと学ばないとダメなの。」
「辺境男爵か……学ぶのは大変じゃないか?普通はその年齢なら遊びたい盛りだろ??」
「お友達いないから遊ばないのよ……」
「え?友達いない?」
ギルヴァの聞き返しに頷くマキア少女
「この子……ミルアだけはお友達なの。」
そう言いながらミルアそっくりのぬいぐるみを見せてくれたマキア少女
「可愛い友達だな…」
そう言って優しくミルアと呼ばれたぬいぐるみの頭をチョンチョンと撫でるギルヴァに笑顔になるマキア少女
「ありがとう!だから友達は他に居ないし、お勉強するの」
「マキアちゃんみたいな綺麗なお辞儀をする子には友達がたくさんできると思うけどな?」
ギルヴァの言葉に首を大きく横に振るうマキア少女