第4章 青の時代 〜忘れられないあの日の思い出 𝓟𝓪𝓻𝓽3〜
「誰が子猫だコラ。いいか美鈴、こいつは太宰治だ。組織じゃ俺の相棒で、クソ野郎だ」
「クソ野郎って……ひどいなぁ中也。紹介の仕方に愛がないよ」
太宰は美鈴にふわっと目を細め、軽く片手を挙げる。
「初めまして、美鈴ちゃんだっけ?大変だねぇ、こんなチビにまとわりついて」
「チビって……」
美鈴が一瞬で眉をひそめた。
「……今、チビって言いました?」
「言ったけど?あぁほら、中也って昔から小さ−−−」
太宰が言いかけた瞬間、美鈴はずいっと一歩前に出て、太宰を睨みつけた。
「ご主人を侮辱しないでくれますか?失礼だと思わないんですか?」
「おやおや、怖いなぁ。中也、怒られちゃったよ?」
「はぁ!?当たり前だ!誰がこいつに口叩いていいっつった!おい美鈴!そいつと話すな、時間の無駄だ!」
中也は美鈴の肩をぐいっと引き寄せて太宰から遠ざけようとする。
しかし太宰はニコニコと飄々と追いすがり、さらに挑発を重ねる。
「でも美鈴ちゃん、苦労するよぉ?このチビは短気だし小言は多いしお子様体型だし−−−」
「誰がお子様体型だゴラァァァ!!」
「あんた、本当にご主人を舐めてますね」
美鈴が太宰を睨む横で、中也は帽子を取り落としそうになるくらいの勢いで太宰を殴りかかりそうになる。