第2章 青の時代 〜忘れられないあの日の思い出 𝓟𝓪𝓻𝓽1〜
「それじゃあお父さん、お母さん、学校に行ってきます」
何気ない日常、平穏な日々、ただ普通で居続けるだけでいい退屈な世界。
「美鈴、忘れ物はない?」
「しっかり学ぶんだぞ、何事も経験だ。それが美鈴の強さになる」
私の父、東雲玲夜。そして私の母、東雲弥生。
父は元猟犬で母は猟犬をサポートしていた人らしい。
そんな二人の間に生まれたのは私と妹の柚鈴。
今も二人は健在であり、私の大事な両親。
私は何か特別使命があるわけでもない、ただ生まれ持っての『異能』という力があるだけ。
だから私の才能が露見することが無ければ、活躍することもなかった。
全ての始まりと起こる出来事が起きたのは私がまだ12歳の時だった。