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メンヘラヤンデレ彼氏からの溺愛調教

第7章 地雷




「いいから退け、莉央」

「ぃ、いや…………っ」


力強く暁に引き離されたその視線の先に柳瀬の殺意が、目の中に見えて。
再度必死に暁へと抱きつけば。


「触るなッ」


声を荒げた柳瀬に。
思い切り引き剥がされた。
のと。
同時に、力任せに引き剥がされたあたしの身体なんて、簡単に、吹っ飛んで。
身体が壁へと激突する。

「——————ッ」


やば。



「…………ゲボ…………っ、ぃ…っ」


たい。
いたい。
頭。
痛い。
身体…………、痛い。


「莉央ちゃん…………っ」

「いやおまえ、あんなんおまえの力でやればそりゃ飛ぶだろ」
「るっせぇ黙れ!!」



痛い。
身体動かない。
涙止まんない。


…………怖い。


柳瀬が柳瀬じゃない。



「…………っ、ぅ」



その場にうずくまって。
嗚咽つけば。


「莉央ちゃん…………」


柳瀬の、声。
柳瀬の気配。
に。
無意識に身体がびくつく。

「ごめん、ごめん莉央ちゃん…………」
「…………」


柳瀬。
柳瀬。
あたしを心配する、柳瀬の、声。


…………今なら。



もしかして。
届く?
あたしの、声。

「柳瀬…………」


ゆっくりと顔をあげて。
柳瀬の、顔へと触れた。

「おねがいやなせ…………。ごめんなさい。ごめんなさい。もう暁とふたりにならないから。ごめん。やなせ、おねがいだから、もどってきて…………」


あたしが悪い。
全部あたしが悪い。
柳瀬と付き合う、って、こーゆーことも想定してなきゃ駄目だったのに。
柳瀬の闇に、気付いてたはずなのに。
軽く考えてた。
全然。
柳瀬のことわかってなかった…………。


「ごめん、やなせ」


お願い。
戻って来て。


「あたしちゃんとゆうこと聞くから。なんでも言って。なんでもする。柳瀬、暴走してもあたし殴ってもいいから、壊れないで。お願い戻って来てよ」
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