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メンヘラヤンデレ彼氏からの溺愛調教

第7章 地雷






「柳瀬」



連絡した時間よりも少しだけ遅れて。
柳瀬の車が大学へと着いて。
いつもなら嬉々として開けてくれる助手席のドアを自分から開けて隣へと乗った。



「…………なんか、疲れてる?柳瀬」
「ぃや、全然…………」
「無理して送り迎えしてくれなくていいよ?仕事抜けるの大変そうだし」

顔色もなんか、良くないみたいだし。
そ、と。
柳瀬の髪へと伸ばした手。
間髪入れずに思い切り振り払われた。


「ぇ…………」



「あ、違う、違くてごめん…………。疲れてて。」
「…………うん」
「ごめん莉央ちゃん莉央ちゃんが嫌だとかそうじゃなくて、ほんとに、ごめん」
「…………うん」



何。
なんだろなんか。
朝と全然雰囲気が。



「何かあった?」

「———————っ」




あ。




「何もないよ、大丈夫。仕事で疲れただけだから。帰ろ」
「…………うん」



今。
顔色変わったの。
取り繕った。
何。
なんで。




「…………やっぱり明日からあたしひとりで行く」
「え」
「柳瀬は仕事集中して。あたしなら大丈夫だから」




なんで、あたしに隠し事するの。
取り繕った笑顔向けられて、あたしが気付かないとでも思った?
バカにすんな。
何かあったか明白なのに。
なんで取り繕おうとするの。
あたしはそんなに頼りない?





「駄目、莉央ちゃん」




路肩に車を停めて。
柳瀬の視線が、あたしを見た。




「ひとりにならないで絶対。俺以外に誰にも着いて行かないで」



何。


『俺以外の男とふたりきりにならないで』的な嫉妬や独占欲でも、ない。
また違う感情?
ブラック的な、メンタルとは違う?
ああ駄目だ。
わかんない、これ。



「何かあった?」


「っ」



言わない。
言えないこと?


「言いたくないなら無理に言わなくていいけど、取り繕った笑顔あたしの前でしないで柳瀬」


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