第6章 ゆらゆら、ぐらぐら
「…………ぅ、ん…っ、っ、ふ、」
まだまだお日様だって真上に登る前の。
光眩しい真昼間。
クーラーが効いてるはずの部屋の中、密着する身体がほんのり湿る。
「…………柳瀬、無理ベロ痛い」
吸い付いて離れない柳瀬の顔ごと引き剥がし。
「この前も思ったけど柳瀬、キス長い」
んべ、って。
ヒリヒリする舌を出した。
「………… 」
あ。
これ地雷。
「違くて。誰と比べてとかじゃ全然なくて…………」
んん。
無表情が逆に怖い。
これじゃ何言っても言い訳になるんだろなぁ。
仕方ない。
「…………はい」
べ、て。
舌を出して目を閉じた。
ぎし、って。
ベッドが軋む音と一緒に舌が吸いつかれて。
「んん…………っ」
啄むようにちゅ、て軽くキスをするとその矛先は耳やら首やら鎖骨やら。
場所を変えて、舐めたり吸い付いたりを繰り返す。
「待って柳瀬…………っ、くすぐった…、っん!?」
シャツがまた、捲られて。
容易に手が胸を捉えると、今度は唇が胸へと移動した。
だけど。
さっきからまわりばっかり舐めるだけで、全然肝心なところに触ってくれない。
「…………っ」
全然これ、わざと。
「やなせ、やだ…………っ」
手のひらでふにふにと胸を持ち上げて。
感触楽しんでるくせに1番欲しい刺激、くれない。
「…………っ、ごめんなさ、キス拒否ったわけじゃなくて…………っ。も、いいからさわって…………」
柳瀬の左手を掴んで、胸へと誘導すれば。
「かわいい…………、エッチなおねだり興奮する。けどまだ触ってあげない」
「…………ぅぅ」
恥を忍んで言ったのに。
頭、のぼせそう。
あっつい。
「やなせ、手、やだ…………」
柳瀬の手が。
指先が。
身体中を這って、触れて、を繰り返す。
「腰浮いてきたね」
何これ。
頭変なる。
柳瀬が触れたとこ、全部あっつい。
「…………触ってほしい?」
「っ」
耳元で囁かれた、瞬間。
ぶわっ、て。
何かが溢れて両目から、こぼれた。