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メンヘラヤンデレ彼氏からの溺愛調教

第4章 自覚




「ご、めん大丈夫?」


「…………」



右手の包帯をさすりながら無言でこちらへと視線を向ける柳瀬にちょっと、焦る。
え。
待ってなんで何も言わないの?
怒った?
あたし、力加減…………わかんなくて。
もしかしてめちゃくちゃ痛かった?




「あの、柳瀬…………ごめ…」




「ねーぇ」



思わず俯いたあたしへと投げられた言葉にびっくりして顔をあげれば。
柳瀬の視線は、あたしへと向けられたまま。



「顔隠さないで莉央ちゃん。」
「え」



ポンポン、て。
柳瀬の隣を叩かれて。
柳瀬が笑う。



隣、来いってこと?



「…………」




逆らえない雰囲気に、渋々隣へと、移動した。





「…………心配した?」


耳元で小さく囁くように、柳瀬の声がする。
小さくこくんて頷けば。


「ごめんね」



抱きしめられたまま。
柳瀬の顎が頭へと乗せられた。






「あ、たし怒ってんだけど」
「うん」
「なんで暁、あんな怒ってたの?」
「…………んー、それについては後で」
「何それ」
「別にこんくらい、莉央ちゃんを手にいれたと思えば全然安いし」
「…………いつあたしあんたのものになったの?」
「ひでぇ。昨日いいよっつったじゃん」
「…………言ってない」


「…………」



いい加減この体勢。
なんか。
やだ。
柳瀬上、服着てないし。
左手だけにすっぽりはまっちゃってるし。
頭、顎乗せんなし。




「じゃいい方変える」
「?」
「…………なんで心配したの?」


ドキン。



なんか。
声が。




「死んじゃうと思った?」



声。
声、が。



「俺死んだら、やだ?」





「…………っ」




なんで。
なんでこのタイミングで目、合わせんのよぉ。
なんも言えないじゃん。
もうこれ。




ほんとやだ。





何もかも。





甘すぎる。
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