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メンヘラヤンデレ彼氏からの溺愛調教

第2章 情緒




「ねぇ、大丈夫?」


…………頭ぼーっとする。



誰だっけ。


「あたま、いた…………」
「キミだいぶ飲んだもんね、苦しそうだから、ボタン外すからね」
「ぇ、まってそれ…………」




なんで。
グラグラする。
こんなになるまで飲むはずない。
知らないやつの前で。
前後不覚になるまで飲むなんてあり得ない。





…………最悪。



昨日といい今日といい。
盛られすぎじゃん、あたし。
だめだ。
あたまやばくなってきた。
ああそうか。
GPS探られたくなくて。
スマホおいてきた。


ほんっと、さいあく。





なにいってんのか、あたまはいってこない。




からだ、うごかない。







身体にかかる体重が気持ち悪いのに、身体が言うこときかない。
かかる吐息にこんなに嫌悪してるのに。
声すら出ないなんて。







「…………離れろ」







カチャ。
て。
男の頭越しに聞こえた、柳瀬の低い声、と。


銃。



に。
頭が冴えた。







「…………悪かった。悪かったから、それ一旦、しまって」
「あ?」
「いや、すみませんっ、どきます!!どくから、それ…………」





両手をあげて。
あたしの上から男が退けば。
柳瀬の拳が、思い切り男めがけてぶつかって。
想像以上に吹っ飛んだ男を見て、もうひとりの酔っ払いが、部屋から慌てて出て行った。
気にも止めずに男に馬乗りになって殴りまくる柳瀬に危機感を覚えて。
止めたいのに。
身体が動かない。
殺しちゃう。
このままじゃ柳瀬、殺しちゃう。



から。



護身用に入れていた小さなカッターをポケットからなんとか取り出して。
刃を、思い切り握りしめた。



「…………っぅ!!」




いっっ、た。



涙でる。
これ。


でも。

そんなこと言ってらんない。





「…………っ、柳瀬!!」
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