第2章 青天の霹靂
「ほんで、いつから行くんや?」
『一応明日…でも隊長に話したら様子を見てから判断すればいいって言ってくれて。ちょうど明日四ノ宮さんが第1部隊に配属だから挨拶もかねて一緒に行ってこいって…』
「さすが隊長やな!せやけどえらい早いなぁ…」
愛車を運転しながらそう呟いた宗四郎に胸が締め付けられた。
私もこんなにすぐに行くことになるなんて思いもしなかった…
だけどまだ…行くとは決めていない。
明日は一応挨拶だけ…
あの日以来、アノ人…鳴海隊長とはまともに顔すら合わせてない。
一応、第1部隊副隊長である長谷川さんには顔を出すと連絡はしておいた。
多分、鳴海隊長も分かってる。
別にまだ好きとかそうことじゃなくて、ただ気まずいのだ。
小さくため息を溢せば…
『ッ!宗四郎…』
「大丈夫や、嫌やったら断ったらええ!カフカを生かす判断したんは長官や!君がこの話断ったからってすぐに処分とかそんなんはせぇへん」
ハンドルを握っていない方の手で私の手を優しく握ってくれた。
やっぱり彼は凄い…
手を握ってくれただけなのに不思議と不安は消え、本当に大丈夫な気がしてきたのだ。
『うん…ありがとう、宗四郎』
「なんもしとらん、明日は何時に出んの?」
『先に功さんに挨拶はしておきたいから、8時過ぎには出るかな…』
「そうか…ほんなら今日はのんびりできるな!」
八重歯をキランっと光らせ、満面の笑みの宗四郎…
時刻は18時半…家に着くまであと5分…
この時は完全に油断していた。