第6章 眠り姫
「ッ!!!…そんな…」
集中治療室の扉を開けた瞬間、息が止まった。
は大量の管に繋がれ、身体のあちこちは包帯まみれでその瞳は固く閉ざされていた…
心電図の音が嫌ってほど耳に響き渡っていた。
「ッ!…」
「そ、んな…補佐官!!!」
瞳を見開き、言葉を失う隊長…
そして小此木ちゃんはの変わり果てた姿にその場に崩れ落ちた。
そんな2人を横目に僕はの元へとゆっくりと歩みを進めた…
「ッ!保科副隊長…補佐官の状態ですが、かなり危険です。今日が山場になるかと…」
医者の言葉なんて頭に入らんかった。
僕はそっとの頬に触れた。
まだ温ったかい…
は生きとる。
絶対は戻ってくるんや、僕との約束を彼女が忘れるわけあらへん…
「…、生きててくれてありがとうな…」
保科の言葉にミナも小此木もただ静かに見守るしかなかった。
深い眠りについてしまった姫…
姫を目覚めさせれるのは王子様のキスか…
それとも…