第2章 青天の霹靂
「紹介しよう、日本防衛隊第1部隊隊長…鳴海げ…」
「よしよしよし、そうだそうだ、あと少しでプラチナランク、あと少しでプラチナランク、あと少しです…もうちょいもうちょいもうちょい…」
「…」
背中から伝わる長谷川さんの怒気…
相変わらずの人だ…心の中でため息をついた。
四ノ宮さんは完全に無。
そりゃそうだと思う。
この人は、彼女が見てきた亜白隊長や、宗四郎とは全くの別物なのだから…
一度扉を閉めた長谷川さん。
顔は完全にキレている…
「ちょっとここで待っていろ。、お前は少し扉の後ろに隠れておけ…」
『はい』
長谷川の言葉にキコルは首を傾げたが、何故長谷川がにそのようなことを言ったのかはすぐに分かるのであった…
「自分でやるから!自分でやるからー!!!!おい、やめろー!!…あ?」
「隊長の鳴海だ。宜しく頼む」
まるで子猫を捕まえた母猫のように鳴海の首根っこを捕まえ、キコルに紹介する長谷川。
だらしなくなんとも隊長らしからぬ男にキコルは…
「…(どうしよう、全く尊敬の念が湧いてこない)」
「ほーう、君がウワサの功さんの娘か…」
「ッ!(ダメダメ!それでもこいつ…あっ、この人は上官なんだから!)第3部隊所属、四ノ宮キコルであります!第1部隊にお世話になります。何なりとご命令下さい」
「まぁそう畏るな、堅苦しい挨拶はいらん。第1部隊隊長としてボクから君に要求するのは1つだけだ…それより…」
長谷川の手から抜け出した鳴海はそのまま扉の方へと歩き出し…
「1つ…なっ!///」
『ッ!!』
「久しぶりだな、…漸くボクの隣に戻る気になったか?」
キコルや長谷川の前だというのにも関わらず、鳴海はを壁ドンし、鼻先が触れるほどの距離まで近づいた。
そう、キコルがほんの少し扉の先のに視線を送ったことを鳴海は見ていたのだ。
目の前で起こる出来事にキコルはゴクリと唾を飲み込んだのであった…