第5章 朝の余韻
カーテンの隙間から差し込む朝の光が、ゆっくりとベッドの上のふたりを照らす。
薄く目を開けたが、まだ腕の中にいるセンラの体温を感じて、そっと微笑む。
「……ん、おはよ……」
「……おはよう、……」
寝ぼけた声で囁きながら、センラはの背後から腕を回し、ぴったりと抱き寄せた。
その体は、昨夜の熱をまだほんのりと残している。
「あかん……昨日、ちょっとやりすぎたかもな……」
反省の色をにじませながらも、センラの声にはどこか名残惜しさが滲む。
「……でも、ごめんな。好きすぎて……どうにもならへんかった」
「……わたしも、うれしかった。……こんなに求めてもらえて、ちゃんと触れてもらえて…やっと会えたって、やっと全部埋まったって……思えたから」
の声は震えていた。
触れ合うことで満たされたはずの心が、なぜか今、言葉にすることでまた溢れそうになる。
「……俺もや。どれだけ会いたかったか……お前が居らん夜、ずっと手ぇ伸ばしても、そこにおらへんのが、ほんま辛かった」
センラの声も掠れていた。
背中に当たる彼の呼吸、指先から伝わる温もり、耳元で掠れる声。
それらが全部、昨夜の激しさと、会えなかった日々を鮮明に蘇らせる。