第1章 序章
「はぁ終わった」
やっと課題と、今日の復習、明日の予習が終わった。
本当に毎日面倒くさい…。クラスの皆からは勉強好きだと思われている私だが、本当は全く好きじゃない。
記憶力が良いのが幸いだが、勉強をすることが1番好きじゃない。
夕霧家の人間じゃなければズボラな生活をしていたに違いない
「ちょっと、外の空気吸ってこよう」
ずっと教科書の文字とにらめっこしていたから頭が痛くなってしまった
ついでに自動販売機で飲み物でも買ってこよう。
財布を出すのが面倒なのでスマホをポケットに突っ込むと、学校の鞄ごと持って部屋をでる
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母「あら、花火何処へ行くの?」
「少し外の空気を吸ってきます」
母「そう、分かったわ。あまり遠くへは行かないでね、もうじき暗くなるんだから」
「はい。」
子供じゃないんだからそれくらい分かってる
ーなんてこと言ったら説教が待っているので辞めておいた。
とっとと外に出て気分を紛らわそう
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ピッ ガシャン
近くの公園にあった自動販売機でミルクティーを買ってブランコに座りながら飲む
1人になれるこの時間が1番落ち着く…
「早く高校を卒業して、一人暮らししたい…。」
まだ高校に入学したばかりなので、これからまた長い勉強地獄が始まってしまう…
どうせ大学に行けとか言われるんだろうなぁーー
紅葉みたいに友達がいっぱいいれば少しは学校も楽しいのに…
友達を作れないのは自分のせいなのに…紅葉を羨ましがってばっかり
「さってと。そろそろ帰らないとな」
殻になったミルクティーのペットボトルをごみ箱に捨て、公園を出る。何時もと変わらない日常へ踏み出すのが嫌になる………と思いながら進むと…。
ビューーーと強い風の音が後ろから聞こえてくる
「…っ!?何?この音…」
ヒヒィーーン!!!
振り返るとそこには黒い馬車を引いてこちらに突進してくる黒い馬…
ーー引かれる!?……死ぬっ!!
いつまで目を瞑っていても衝撃が来ない
恐る恐る目を開けると…ただ真っ暗な空間で、手や足が上手く動かせない