第10章 見送り(みおくり)
やたらと何度も、師匠の日輪刀を使っての鍛錬を勧められた理由が、やっと分かった……
公麿さんの話を聞いた時…
そんな師匠に恥じない弟子でいたいと思った
と同時に…胸を張れる存在で在りたいと……
しのぶ「はい!
必ず…生きて戻ってきます
貴方の下に」
恵土「!(驚愕し目を丸くし)
ふっ(微笑し目を細める)
…最終選別が終わったら…名で呼んでくれ」
しのぶ「!
わかりました」
恵土「待ってる…信じて」微笑
しのぶ「…はい^^」
それから…
最終選別で姉さんと再会し、瞬く間に最終選別を終えた
と、言うのも…私が全ての鬼を斬り伏せたからに外ならない……
手鬼とかいう、変な手強い鬼もいたけれど…一刀両断にして終わらせてみせた
なんでか…
鬼を根こそぎ倒して回る私より、別の人を襲うことに執心していたように思う
先に襲われていた人を助ける形(隙をつく形)になってしまったけれど…
錆兎!という叫び声と一緒に、黒髪の剣士が駆け寄る
剣士としては戦えなくなったけれど…
隠(かくし)として戦っていく所存だと言っており
二人から礼を言われた
鬼が一人もいなくなったことで、異例の最終選別となってしまったらしい
師匠でもそんなことはしなかったらしく…
しのぶ「………
やり過ぎちゃったかな…;」ぽつり
小さく呟いてしまった
師匠譲りの技を全て出し切って倒して回ってしまった
それだけじゃない…
この日輪刀は常に陽光を発していて、それに触れるだけで血鬼術が全て解けて消えてゆく
そのお蔭とも言える…鬼に金棒という言葉が想起するぐらい
枝の先に乗る、姿勢を一切変えない私に…カナエ姉さんがすっかり目を丸くしていて
まるで仙人みたい、と形容してくれた
カナエ姉さんも…
師匠にある程度鍛え上げられたという花柱さんから鍛えられたらしいけれど…
私ほどの身の熟しは身に付けられなかったらしい……
そうして…最終選別は、僅か一日にして終わりを告げた
恵土「大丈夫か!?怪我は!?」
気が気で無かったのか
ずっと心配して起きていたらしいそれに…
私は笑って飛び付いた
しのぶ「ただいま!!^^」
恵土「おかえり!!^^」
強く抱き締め合い…
お互い、喜びを分かち合う中……
カナエ姉さんの修行魂に火が付いていた