第9章 奥義(おうぎ)
恵土「合格おめでとう(肩の上に手を置いて微笑み掛ける)
^^//」
心底嬉しそうに笑うそれに
真剣を落として、駆け寄った
居合術、風魔横一文字でも即座に打てるぐらいの状態だった
それを常に維持出来ていた
そんな言葉を掛けるそれを遮って…私は抱き着いた
その時、師匠は刀を仕舞っており……
沸き上がる想いと共に、気付けば口を付いて出ていた
しのぶ「師匠!(じわっ!)←涙目
師匠!!(ぼろぼろ!!)←涙を双眸から流す
私…師匠が好きです!!
師匠以外と…結婚したくありません!!
お嫁には出来なくても…貰ってくれますか!!!?」
そんな叫び声に…
恵土「目を丸くする)…………
私でいいのか?
しのぶ「はい!!」
恵土「私以外にだっていい人は
しのぶ「師匠以外は嫌!!!!」
わんわん泣き叫びながら、必死に縋り付くそれに…
頭を胸に押し付けて咽び泣く私に……
恵土「………
私も…お前が好きだ
私でよければ…いいか?」
しのぶ「ぱあっ!)
はい!!^^//」
もう、その時には…お互い、互いでないと嫌だという想いが固まっていた
生い立ちを知って、それでも寄り添いたいと思った
願った
私は違うと示したかった
村の人のように、ホラ吹きだと言ったりなんかしない
決め付けたりいじめたりなんかしないし、させない
何度も言った、何度もぶつけた
暗くなるそれに、一緒に寝てもいいかと言い
十の子供なのだとしても…
相手にされないのだとしても…
それでも……
たとえ好きだと思われなくても構わない
私は貴方が好きだと
共に生きていきたいと……
ありがとう…
礼を言われ
あの時のお礼を、その時になってやっと返したこと
木刀で全長約330mの大岩を斬れるようになった時、大喜びしてくれたこと
祝に花火をしてくれたこと
真剣での修行は今回が初めてで
ぶっつけ本番で…
戸惑ったけれど……
それでも……貴方を傷付けず、互いに全力でぶつけ合えれた
その証拠に全てが拮抗していた
技の力量が全て釣り合っていることが証明された……
しのぶ「やっと…やっと……貴方の力になれるっ」
そう思えてならなかった
涙が溢れて止まらなかった……
恵土「くす)ありがとう…愛してる」ぎゅうっ
両の腕に抱き締められる中
私も咽び泣きながら強く抱き返した