第9章 奥義(おうぎ)
とある日…
恵土「大福堂の大福食べたの誰だあああ(怒り)
大事に取ってたのにいいいい(嘆き)
もう売ってないんだよおおおおおおおおおお」膝から崩れ落ち滂沱
大福堂は老舗の店であり、大層評判のいいものであり、そこの大福を気に入っておりました
実は…耀哉に初めて貰ったお菓子で、大層大事に想っていた思い出の品なのです
耀哉も気に入っており、よく一緒に食べに行っていたそうです
しかし…
閉店となることが決まったそうで、内心酷くショックを受けながらもでもなんとか一番お気に入りのものだけを買った一個で、大事に戸棚にしまっていたそうな
どう帰ったかも覚えていない
その為…より一層思い入れが強かったこともあり、あんな状態に陥っておりました
だが……
汗だくで疲れ切っていたのと
余りにもおいしそうなので、つい取って部屋へ移動し、そのまま食べてしまったと
恵土が叫んできた時、既にしのぶの口の中に居りました
半泣きになりながら必死に探して回り、見つからないままで
最初こそ半狂乱になりながら怒りに我を失っていたものの
最終的には、自分の部屋で涙を流しながら蹲っていました
しのぶ「あの……ごめんなさい」
土下座してしのぶは謝りましたが
恵土「いいよ…っ?ひっく」
しのぶ「え?」恐る恐る顔を上げる
恵土「謝ってくれたからいいよ?ひっく
ぐすん」
本当に大丈夫なのだろうか?こんな人で…これから先
心配が先だったのは言うまでもない
恵土「お前の肉となり血となってくれたなら本望だろ?
食べ物なら
ぐすん、ひっく」
私だったら半日は口をきかないけれど…‥;
恵土「疲れてたろうし、大丈夫
また…もう買えないけれど、いつかまた
美味しいの、また探すから
気にしないで
ぐすんっ」
しのぶ「………」
こんな調子で大丈夫なの?
本当に?
本来なら逆のはずなのに、寧ろ気遣いし過ぎな状態に目を丸くしてばかりいたそうな
本当に大丈夫?
その性格で
と、逆に心配になったそうです
その後…もち米から餅を一緒に作り、食べました
大層美味しかったそうで、涙も引っ込んだそうです
恵土「また作ろうな?
しのぶ「はい^^
(機嫌が直ってよかった」ほっ
ずっとぐすぐすいっていたので内心心配していたそうです
テロップ『一件落着?』