第8章 再会(さいかい)
手拭いの件だけれど…
恵土さんは無くしたと思い込んでいて
お館様に土下座して泣いて詫びたらしい
しかし…お館様は隠から事情を聞いて知っていたけれど、黙っていたらしい……
恵土「まずは全身運動、隈無く鍛える」
しのぶ「ふむふむ(なるほど」
恵土「で、疲れ切って動けなくなってからが本番だ
剣の素振りを行い、その時の呼吸のやり方を習慣付ける」
しのぶ「!え?
動けないのにですか?」
恵土「ああ
人間は疲れ切っていると一番楽な動きを取りたがる
その習性を利用して、自分の身体に合った動きを自然に取れるようになるまで習慣付ける
そうすれば常日頃からの消耗も減らせるし、体力も向上できる
呼吸法も剣術も自分に合ったものを身に付けることが出来る
無理に合わない動きを身に付けようとすると壊れることが多い、まだ完成していない身体では特にな」
しのぶ「なるほど!」
恵土「ここまでで何か質問は?」
しのぶ「あの…
具体的にどんなことをするんですか?」
恵土「ん?
まずは決められた道がある
道なき道の修練だ
獣道に見せ掛けてだが、かなり長いことある」
しのぶ「ふむふむ」
恵土「で、動けなくなってから素振りと
まずは見本を見せるから、私がお前の身体に合った動きを見て真似する
完成形を見せるから、後は自分で考えて反芻して学んで身に付けてくれ」
しのぶ「わかりました!!」大きく頷く
恵土「これまで剣について学んだことは?」
しのぶ「ありません!」
恵土「なら良かった
変な癖がある方が身に付くまでに時間が掛かる
修正しないといけないし、その方が大変だからな
私が先導するから付いてきてくれ」すくっ←立ち上がる
しのぶ「はい!!」立ち上がり懐にペンと書き物を入れる
恵土「まずは道を覚えることに専念してくれ」
しのぶ「はい!!」
恵土「後…落とし兼ねないから、私が持っておく」
しのぶ「あ…(それもそうか
これから運動するんだし)
ありがとうございます!!」
そうして……
遥か長い道を、ずっと同じ速度で走り続けることになった
全力疾走が常時続けられるように…というのが修練の目的らしい
同じ速度で前を走られ続けて…十分も持たずに、私はその場に倒れ伏した
それから無理やり立たされて、ふらふらの状態で木刀を握らされて素振りをすることになった……
