第7章 出会い(であい)
私達は、両親に強く抱き着いて、咽び泣きながら歓喜した
手拭いを手に掴んだまま…離さずに
一目見た時、神様だと思った
悲鳴嶼さんからすぐ来ると言われた時には何がと思ったけれど…
本当にすぐ来られて、即死してバラバラに千切れ飛んでいた両親が瞬く間に治っていって……
本当に驚いたことを、今でも鮮明に覚えている
その人達の上に…
私達の幸福が成り立っているのだと実感した時……
私はこのままでいいのか悩んだ
無事で良かった
そう零す悲鳴嶼さんの言葉も…
よかったとでも言うように黙ったまま安堵したような笑みを向ける、言われて弾かれるように即座に飛んでゆく、あの人も……
そのままにしていいのか、と………
日常に帰った後…
隠という人との接触が難しくなった
適宜、両親の様子や周りのそれで慌ただしく走り回っていたけれど……来なくなった
ここで手を引いたら…
何もしなかったら…
もう…二度と会えない気がした
父「好きなように生きなさい
お前の人生なんだから」微笑
母「…危ないことには反対だけれど…
あなたに悔いが残らないようにしなさい
(隠の)連絡先なら知っているから」
姉「………
私も行くわ
貴方を…一人で危険な道に行かせたくない
それに…今回は喪わずに済んだけれど、今後もそうとは限らない
そうならない内に…少しでも…減らしましょう
自分達と同じ思いを他の人にはさせない」
しのぶ「姉さん…」
カナエ「ふふっ^^」
半月ほど経った後、姉と指切りして家を去っていった
手拭いは大事に洗って懐に仕舞っていた
二人で悲鳴嶼さんの元を訪れて、彼に鬼殺隊に入ることを望んで食い下がり
私達を追い返す為に課された試練を突破したことで半ば呆れられる形で、彼から紹介された育手の下で別々に修業を行うことになる
この人がいい!と手拭いを見せたら失笑していた
その試練の内容は、大岩を動かすもので
悲鳴嶼さんが長期任務に出た所、戻った時にやってみせた
二人して梃子の原理で大岩を動かして
私は「梃子を使ってはダメとは言われていない」と食い下がった
それから…姉と別れ、私達は最終選別で再会し、無事選別を突破して鬼殺隊に入隊することとなる
のだけれど……
それまでの試練が死ぬほど大変であることを
当時の私はまだ知らなかった