第7章 出会い(であい)
しのぶ「名前…なんて読むんですか?」
行冥「産屋敷恵土(うぶやしきけいと)だ
私も救われたことがある…恩人だ」
合掌したまま、しみじみと思い出すように空を見上げていた
なんでも…罪を着せられたことがきっかけで子供が苦手になったけれど、和解の機会を貰ったのだという……
お蔭でお互いに誤解も解け、手紙や贈り物を互いへ贈り合う仲となっているらしい
しのぶ「産屋敷さんと呼んだ方が良いんでしょうか?」
行冥「お館様の姉上だ
本人から、混同されるといけないと名で呼ぶことを推奨されている」
しのぶ「じゃあ…
恵土さんって…どれぐらい強いんですか?」
行冥「柱としても、歴代の鬼殺隊の中でも最強と言われている
未だ嘗て(かつて)負け無しで、私にも赤子の手を捻るような扱いで完勝する」
しのぶ「!!」瞠目
行冥「身の丈の倍はあろう熊を素手で仕留め
私も指南してもらったことがある
柱を7歳の時から務めており、剣を握って一か月で柱となった
鬼殺隊に入り柱となった日には全ての柱を一人で相手取り、全て完膚なきまでに倒した
南無」がくがくぶるぶる←震え声までがくぶる
それを聞いた時のしのぶの頭には…
キングコングばりのガタイに、悲鳴嶼の胴の数倍はあろう腕と足の太さに長身という化け物が出来上がっていた
猿『んまっすうううううる!!!』ポーズ
背景音楽:チャーラー♪ヘッチャラー♪
恵土「ぶほおっ!!!
あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!!!
何!?そんなキングコング!!?
ぶあっはっはっはっはっはっ!!
はらいてぇ
あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!!!」
テロップ『後の恵土の反応』
床を叩きまくる恵土に、だって…としのぶは怒り混じりに睨んでました
そういうガタイじゃないと割に合わないと思った
との言葉に、尚更吹き出し笑いが止まらなかったとか……
しのぶ「…迷路みたい」
行冥「ここを通れば直に恵土の住む屋敷だ」
先に育手の元へ案内された姉さんと別れてから半時間…
やっと、私の育手と会うことが出来る
そう実感した
既に鎹鴉を飛ばし、お館様からも了承を得、恵土さんからも了承を得た所だったらしい
それは試練を終えた日の内でのことだった
今日はその次の日の朝で…やっと、鬼殺隊入隊への一歩が始まることになる
