第7章 出会い(であい)
恵土「お前もお前だ」
びくぅっ!!←小芭内が肩を震わせる
恵土「怒れよ
泣けよ
喚けよ
それぐらい酷いことされてんのに!
何もしねえで…耐えてきたんだろうが!!(涙声)
一発ぐらい殴り飛ばせ!!張り倒せ!!!
泣き叫びながらその顎殴り飛ばせええええええ!!」涙
その怒りさながら不動明王の如し…
恵土「きいてんのかこらあああ!!!!?
わかったらいけえー!!
噛み付け!殴り飛ばせ!!蹴り飛ばせええええ!!」
泣きながら叫び続けていたそれに…面食らうばかりであった;
ふん!ふん!!←尻尾を振りまくる
鏑丸も同調してすっかりやる気になっていたが…
どうにもやる気の起きない小芭内であった…;
小芭内「いい加減休みたいんだが…;」
ポツリと言った言葉に…
火に冷水を掛けられたように怒りは鎮まった
ように見えた
あくまで、見えた
恵土「わかった、済まない
ごめんな、強制されてするものでもないよな」
それに小芭内は、軽く頭を振った
その想い(自分への思い遣り、それ故の怒り)は受け取ったとばかりに
恵土「ごめん…(深々お辞儀)
もう少し早くに気付いて討伐に向かっていたら…」
小芭内「いや……
礼を言う
………
少し…軽くなった」
恵土「?」
こんな女もいるのだなと思った
自分は、こんな一族の元に産まれたのだから…
幸せになってはいけないのだとも……
だが…そんな想いが少し軽くなり、解けたように感じた
それから…怒りのままに刀を振り翳し、流されるまま立場を悪用するな!!と斬ろうとまでし掛けたそれを、愼寿郎が止めてくれた
そうでなければ恐らく…最低でも平手(ビンタ)ぐらいは見舞っていたとは思う
従妹「済みませんでした」
恵土「謝る相手が違う!!」
従妹「済みませんでじだ!」ぐすっ、えっぐ、ひっぐ
涙でボロボロのそれに
小芭内「………別に…いい」ふいっ
そう答え、2人は分かたれた
従妹「ごめんなさいいい許しええええええ」滂沱
最後に私に縋り付きながら泣きじゃくり
それに許すと言い(小芭内が赦したから、当人同士の問題だから)
屋敷とお金を従妹がそのまま貰い受けようとし
隠に丸投げしておいた
大まか希望通りに行ったらしい…;
何故苦労したものばかりが苦労するのやら…はあっ;(肩落とし嘆息)