第6章 縁(えにし)
神へと完成することで
日輪刀の色は魂の色ではなく、透明の色へと変色し同化する
魂を映す鏡へと変じさせる
それが…正しい認識
神の力そのものである日輪刀が、本来齎すもの
だから…剣術を極め、鬼を打ち倒した分だけ、無惨の細胞を宿した者(鬼)を屠った分だけ、神の力が現象となりて淡い木漏れ日のように出る
オーラとして
そして……神へと完成した折に、現象そのものと化す
らしい
淡々と語り継がれる事実に‥戸惑いを隠せない中
耀哉は言った
耀哉「…‥今の柱では…不可能かい?」
恵土「恐らく…無理だ」きっぱり
耀哉「…‥…確証は?」
恵土「……原初の神々では無いから
癌を打ち倒せるのは、癌化の影響を無力化して打ち滅ぼせるのは……
原初の神々だけだから
私一人では…神が神の力を使って、人間達の過ちを正しただけという認識に終わる
そうなれば…癌の再来も在り得ない訳じゃない
それらを正すのは……
恵土/耀哉『人間であるべきだ/と』
恵土「…‥…
済まない…←深々土下座
長い時を有するように思う
そう感じてる」
耀哉「仕方の無いことだ
時期を見て、折を見て話そう
そう(次期原初の神々)だと確信できる、その日まで…
信じて待とう
必ず巡り合わせてくれるはずだから
そう予見しているんだ」微笑
恵土「…‥…わかった
探し回ったりしない
信じて、ここで待つ
柱として…少しでも多くの鬼を倒し、力を削ぐ」
耀哉「大きく頷く)
頼んだよ
(辛い選択を強いたように思う
だが…癌が死ぬ前に、無惨が死ぬ前に恵土が死ねば…全てが消える
癌の世界へと再び転じ掛け、滅び掛けているという警鐘
それはつまり…君という存在が大黒柱として、癌の世界へと変異し掛けているこの世を支えていることの伝達に外ならない
君を死なせる訳にはいかない…
目的が果たされる、その瞬間まで……」目を細め、俯く
恵土「ああ!」力強く頷く
テロップ『8歳と12歳の会話じゃない』
そう、原初の神々8柱の内1柱である原初の時空神は言葉を漏らした
見ている側として…その結末まで見守る原初の神々の1柱として……
そうして…長い年月を費やされることとなる……
次期原初の神々が、柱となりて集う、1912年まで‥……
残り――12年!!