第5章 慟哭(どうこく)
半月後
恵土「お館様
必ず…
守るから」
顔を上げ、恵土の顔を見つめる
恵土「耀哉は、死なさない
耀哉の代で、呪いを終わらせるから!!」
双眸から、両の目から涙を零し、叫んだ
恵土「だから……
父上
ごめんなさい
守れなくて
倒せ…なくてっ」涙
お館様「ふふふふふ^^(にこ)
いいんだよ…」
微笑し頭を優しく撫でた
恵土「私は…なんにも
力になれてない!!」
お館様「それは違うよ…
君は十分、戦ってくれたじゃないか…
皆の為に……」
恵土「…」ぷるぷる、わなわな
お館様「君は、本当に優しい子だ
君を娘に持てて、誇りに思うよ」
恵土「ぼろぼろ)
っ」歯噛み
お館様「耀哉…恵土を、頼んだよ」
耀哉「はい!父上!」
お館様「力になってやっておくれ
皆…助け合って生きているのだからね
恵土…」
恵土「びくぅっ!!)…」震える目、体で、父上の目を真っ直ぐに見る
お館様「君のお蔭で…私は、父上の頃より長く生きることが出来た
本当に…ありがとう(微笑)
君の成長を見れて、耀哉の成長が見れて…本当に、本当に、幸せだった^^
沢山の幸福と、喜びを、君は連れてきてくれた
何も哀しむこと等ない
誇ってくれ…
支えとなってくれて…
縁(よすが)となってくれて…
(なるはずが逆に…)
拠り所となってくれて……
本当に……ありがとう……」
耀哉「父上!!!」
今にも息絶えそうな声に、声色に、耀哉は顔色を変えて叫び掛けた
お館様「耀哉…恵土…これからは…二人で、助け合って…産屋敷家を……」
耀哉と恵土「父上!!」涙
恵土「父上えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!」
その言葉をした後…力無く、瞑目し……
あの世へ旅立っていった
何度叫んでも何度叫んでも…止め処なく涙は溢れ、痛切な叫びを、声を、涙を、上げ続けるばかりだった
今世で初めて得た父としての温もり…
それは儚く散り、二度と会うことの出来ない存在となってしまった
その亡骸に覆い被さり慟哭のまま咽び泣き、耀哉も共に泣き叫んでいた
その日は一日…暗い夜で、雨が酷く続く、重い、重い、一日だった