第5章 慟哭(どうこく)
喪失感のみではなく…
自らを責めるのみ、自らに怒るのみであった
恵土「うああああああああああああああああああああ!!!」
頭を振り
雨に打たれながら
岩で出来た地面を
自らを中心に両の拳を叩き付けて、消し飛ばした
地面が陥没し、池を作る中…
恵土「こんな力…あっても……)
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
雨に打たれたまま、ずっと一夜丸々泣き叫んでいた
式を済ませ、喪に服す中…任務が入った
耀哉「休んだ方が」
恵土「気にするな
働いていた方が、いい…」だっ!!
墓に収める折、突如として入ってきた任務に
走って行った
それから…
任務を終え、戻ってきた折……
その墓の前で跪き…咽び泣き続けていた
毎夜、毎晩、朝も昼も夜も…暇さえあれば……
恵土(守ると約束したものばかり死んでゆく…
私だけ残して……)
自責の念と、無力感と、自分が赦せない想いに苛まれ続けていた
任務を除いて、ずっと泣き続けていた
ご飯も喉を通らず、水も飲んでいなかった
任務の時を除いて、何も振るうことも出来ず、寝るのは墓の前でしていた
それを見た鬼は…
無惨に命令されそこに訪れた鬼によって連れて行かれ
山中の山奥にて、女装した無惨の前に差し出された
無惨「………刀は?」
鬼「見当たりません
影も形も」
無惨「そうか
下がれ」
鬼「はっ!」ばっ!
がしっ←頭を掴み
ぐいっ←地面へ倒し背の上に膝を乗せる
無惨「随分と…呆気ない幕切れだったな」
持ち物は皮袋のみ(陽光山の木々の皮から造られた袋)
抵抗しないのを厳重に確認した後、血を注入しようと右太腿を貫いた
鋭い激痛と共に、熱い何かが流れ込んでくるのを感じた
抵抗する気力は微塵も無かった
言葉を発する力すら持ち合わせていなかった
恵土(………)
何も考えることも無く、そんな気力も無く
されるがままでいた
そんな折……
一筋の光と、声が聞こえた
健康な顔で、声で、昔のように目線を合わせる為に、跪いて……
父上「耀哉を…頼んだよ」微笑
その言葉を聞いた瞬間、動かなかった体が、動いた
皮袋の隙間に手を突っ込み、掴んだ
ぐっ!!←日輪刀を握り締める
無惨「!!」ピクリ