第31章 未来へ(みらいへ)
しのぶ「本当に恐かったんだから!!
生きた心地なんて全くしなかったんだから!!」
恵土「ごめん、本当にごめんね;
しのぶ「赦さない!!一生赦さない!!!」
恵土「ごめんなさい;
しのぶ「赦さない!!!!
一生を持って償え!!!!!」
ギャン泣きしながら叫び狂っていた
天元「いや…
悪いの恵土じゃなくて龍神じゃね?」我に返る
実弥「言われてみればそうだな」
小芭内「ふむ…確かに
言わばあいつは振り回された側だ」
杏寿郎はお館様を背負って駆け付けていた
杏寿郎「すまん!遅くなった!!
ぜえぜえぜえぜえ
はあはあはあはあ
急に呼吸が使えなくなってきて…
危篤と聞いてお館様を…
済まん!一歩遅かったか!!
柱として不甲斐無い!!
どう詫びればいい!!?」
小芭内「そんな詫び等要らん」迷惑顔
御屋敷から、お館様の屋敷の近くまで走り
お館様を背負って、御屋敷まで直走っていた
窮地、今際の際ということもあり必死で…
杏寿郎「本当に済まん!
行きは早かったのだが
戻りに思った以上に時間が掛かってしまった!」
『気にするな』
恵土「私もごめ
『お前は一生気にしろ!!!!』
恵土「温度差が酷い…;」ぐすんっ
しのぶ「よしよし」背を撫でる
縁の里は、10.5km四方の窪地
その為、駆けずり回るのも手一杯だったらしい
恵土「愛してるよしのぶ」
しのぶ「私も…恵土を愛してます」微笑
恵土「大好き//」ぴとっ
耀哉「無事取り戻せて何よりだ…
これも…皆の献身ありきと思う
これからも……皆…手を取り合って乗り越えていけたらと思う」
『はっ!!』頭を下げる
しのぶ「恵土はやらない!横になる!!」肘で小突く
恵土「え?でも(あたふた)
耀哉「いいから
気にしないで、ゆっくり休んで?
姉上…17年以上…本当に、お疲れ様
まずは英気を養おう?ね?」微笑み掛ける
恵土「……
…(じわっ)
うんっ」頷き落涙
なでなで
ようやっと、実感したそうな……
長い戦いの終わりを…
癌一同が二度と生まれない為の楔(くさび)となって、手元から亡くなった…化身化の力と共に――
癌一同が二度と生まれない存在へとなるまで……その力は、喪うこととなる
それは…戦った証として、伝説として、遺されることとなった
大事なのは…『心の在り様』なのだと―――
