第28章 それぞれの役割(やくわり)
化身化とは願いそのものへと転じること
神が更なる領域へ成長する為の御業
そしてそれが…なんの変色も無く、なんの発光も無い状態を、化身化・無間(けしんか・むげん)と呼ぶ
魂、霊体、前世…魂の前世も含めた…ありとあらゆる全て…
それらを一塊にし、神の持つ力の全てを御し切った証とされている
私の記憶に触れたことで…きっかけとなった可能性が極めて高い
その化身化を覚醒め(めざめ)と言い
それに覚醒めたのは今から約10年前
私が14歳になったばかりの頃
主犯格の癌が遺した癌の闇を浄化して回った時だ」
しのぶ「一人で…?」
恵土「ああ、一年掛かった
正確には、その一年後に主犯格の癌に罰として消滅が下った」
『ほお…(一年か』
恵土「身投げとは…
己という全てを対価とし、二度と生まれて来ないことを条件に
癌の闇を浄化する際に使われる言語だ
そして……私が生まれてから無くなったものでもある
当時の人口
主犯格の癌が生まれる前までは千垓人だった
が
この世で生まれた後に犯した罪により全ての癌化が進み
原初の始祖神の寿命が、残り百年にまで縮み掛けた
あまりに削られ過ぎてな
それを止める為に…
癌では無い九百垓人が身投げしたのが九万九千八百八十六年前
七十六垓人が身投げしたのが二千八百八十六年前
私が生まれたのが二千六百八十六年前
それ以降、ずっと人口は十垓人を保っている
癌一同が消えない限り、再生出来ない
これは1911年時点での計算な
で…話は戻るんだが
一兆五千億年前、創世神が七人の魂を生み八人に分かたれた
原初の神々となって…それぞれ創世神の分身として
それから…化身化、覚醒めた訳なんだが……
癌のせいで四苦八苦してた」辟易嘆息
『うんうん/知ってる』
恵土「分体とは…自らの意識を宿した、同じ力や考え方や特性を持つ分身のようなものだ
意識を乗せることも出来るし切り替えることも可能
己に近しい存在に宿らせて保護していた
特に次世代は本人そのものと言っていいぐらいに似ているから力を無限に送り込める」
『なるほど/ほお』
恵土「初代も創世神の親のも今の自分のも合わせ
今繰り出せる最大の力、最高の合体技とし
それを…無惨に使った
『!!』
恵土「だが……互角だった」
小芭内「待て…それはつまり」
それに恵土は即座に頷いた
