第27章 それぞれの想い(おもい)
お互い取り乱していたし
冷静になる時間が必要
そう判断しての(お館様からの)お言葉でした
そして……
恵土「まずは…私の魂としての姿を見せるところからだ」
すうっ←手を額に当て、光が凝集してゆく
カタカタカタカタ
日輪刀が呼応するように震え出す
全身が光そのものと化し、髪と身長が伸び、全身が白く発光する…
白い膜のような踝まである前とじの長い衣に、袖を通していた
蜜璃「…きれい//」ぽわー←口元に手を当てる
恵土「改めて名乗る
私は…己を除く全ての実在化を司る神
名を、原初の始祖神…
魂の一人称は俺だが
初代も共にいるので私にしている」
小芭内「幼児化していた際に俺と言っていた理由はそれか」
恵土「ああ、そうだ…
初代は分体に意識を乗せて宿っている状態だ
私の魂の前世がそれに当たるが
生きている内に覚醒遺伝で生まれるのは、引き継ぎの為だ」
蜜璃「あのお…それってどういうこと?」
恵土「簡潔に話すと…母体と胎児の関係に当たる
胎児の位置に、私が配置されて
それを胎盤で囲まれ、全てを胎内、胎児とし
ずっと実在化における供給をし続けている
その胎盤の役割を担う、新たに与えられた魂の膜…
それが古びると、実在化の力を送る際に通りが悪くなったりヒビが入ったり、あちこちに支障が生じることにもなる
なので…代替わりする際に定期的に変える必要があるという訳だ」
蜜璃「なるほど!!」
恵土「その作業を更新とも言って
引き継ぎと言われている
だが…全ての自由と時間を対価にすることとなる」
『え!!?』
恵土「身動きが出来ん
そこに閉じ込められてずっと力を送り続けている
全てへ自由と時間を与える為に…そういう位置関係になってしまった」
小芭内「要するに人身御供か」
実弥「胸糞悪ぃな」
恵土「誰かがやらなければならない
それが出来るのが私だっただけに過ぎない
そして…
一兆五千億年前…千垓人の魂と、草や木や花など無限に存在する世界…無限の全てを手に掛けて殺した魂…癌
その癌の闇との同化、癌化を防ぎ浄化して無とする為には
私の命と自我と記憶という対価が必要となる
残るのは魂の心、0.92%のみで人間で言うと体積上片手の小指の先から第一関節まで
99.08%は癌一同が死滅しない限り再生出来ないし、出来ても一時凌ぎに過ぎない」
