第27章 それぞれの想い(おもい)
しのぶ「…癌一同が死滅さえすれば再生出来る
でも一人でもいれば再生出来ない?」
恵土「そうだ…
しかも…
その浄化は、無罪の者に限る
有罪の者は、自らで自らを癌にしてしまっているから助けられない
寧ろ全てを癌へ、有罪の者へ変異させる源なんだ
その更なる源が…一兆五千億年前に犯した罪だ
癌の罪であり、癌の闇、闇そのものたらしめる大元とも言われている
その際…創世神を除く全てを手に掛けた
創世神の親すらも…
辛うじて生き残り、引き継ぎが出来たから
守りという創世神の親の分体も維持出来ている」
小芭内「守り?分体?
それはどういうものなんだ?」
恵土「創世神の親だった頃…
癌が生まれてきた際、自分の魂の膜を自分で破る闇を発していた
それを力で抑え込んで生活できるようにしたが
癌の闇に触れるだけでどんな存在の魂の膜でも破られる所を目撃し
それらから守る為に『守り』という分体を自らを基に作り全ての魂へ付けた…
各々の個性を消させないように、それぞれの形に合わせて……
そしてその同時期にしたのが隔離だ
癌のままでも生きていき…人を見る心を身に付け、癌でなくなること
幸いまだ罪を犯していないから…更生の余地はあると見て、機会を与えた
それがこの世だ」
『!!?』
恵土「癌の闇に耐えられる、無限年でも耐えられる世界だった
それを基に、再生させたものが…今あるこの世だ
だから癌をこの世に生まれさせて、更生の機会を与えつつ
加担した癌を燻り出そうとしていた
そして…全てに対して、免疫を付けようとも」
『なるほど!』
杏寿郎「一つ良いだろうか?」挙手
恵土「どうした?」
杏寿郎「……まるで、過去のように言われているが…
ここは既に消されたのでは?」
恵土「ああ…
一度、全て消された
でも、創世神として生まれてから
創世神の親の記憶を元に再生させて創り上げた、零から
そして…魂を産んだ際…心を無くさない為に
自分が自分である大元を無くしたくない一心で、魂の膜を新たに作り自らの心を覆った
それが……神として覚醒めた時、原初の始祖神、創世神と認められた折に、魂の膜が新たに与えられる理由…
そして……与えられた瞬間から削られることとなる
それ以前からも…無意識の内に
それが…九百七十六垓人の身投げ以降、その身投げを防ぐ事態を引き起こしていた」
