第27章 それぞれの想い(おもい)
ベタ惚れ
それは周囲にはわかり切っていたことであり…
周知の事実とされている
実はしのぶは恵土の意識が戻るまでずっと隣にいました
意識が戻った折、アオイが居たのは
少し厠に行く為に席を外していたことからでした
用を済ませた直後に聞こえたアオイの声に
病室の床に散乱する器具等そっち除けで踏み壊しながら恵土に抱き着きました
その数日前
滝行にて――
実弥「しっかし…この岩場…
随分しっかりしてるな
さっき滑り掛けたけどすぐ掴めるぐらい掴めやすかったし…
どうなってるんだ?」がしがし←軽く蹴ってみる
行冥「この岩場は元々は無く…
恵土が一人で作り設置したものだ
実弥「マジか!!!?;」驚愕
行冥「まず潜って滝壺を見て大体の大きさと形を決め
それから滝壺を叩き切って噴水にして飛び上がり
空中にて滝を割り、そのまま無数に滝を横薙ぎに斬り付け
一部荒れる波を足場にそのまま勢い良く滝の上へと駆け上り、飛び上がった
そして着地するや否や陽光山の麓にある大岩を見て、これが良さそうだと笑い掛けるや否や
凄まじい勢いで斬り刻みに斬り刻み、滑っても大丈夫か念入りに確認した後に
ざっと15人ってとこかな?と言ってからそのまま持ち上げて川まで単独で運び
川に投げ入れて流してから、その上に乗って狙った通りになるよう川や滝を斬り付けて荒波を起こし
入水の角度の微調整を繰り返し…無事着水し作り上げられたようだ……
南無…」
実弥「へえ…まあ神の力を使えれば出来ねえ訳でもねえか
行冥「これも全て、『呼吸のみ』でしたことだと聞く
実弥「なに!!?;」ぎょっ!!
行冥「そしてその上で…
隠に何者だ!!?と叫ばれるも
当時目立ちたくなかったからなのか……
恵土「一般人で〜す!^^♪」ぶいっ!←ピースサインをする
挫折と恐怖、脅威と猛威を常時与え続けたそうだ
ちなみにその当時は七歳だったと聞く
実弥「七!!?
歳…………
化け物かよ…;」唖然たらーり
行冥「そう比喩されてもいたそうだ
この修練場も…
厳し過ぎて柱以外誰も寄り付かなかったらしい」
実弥「へえ……
それが今じゃ…
随分騒がしくなったもんだな…」
行冥「これも偏に…恵土や我等の努力の賜物と言えるだろう」
合掌したまま、滝に負けないぐらい涙を流す悲鳴嶼…
実弥はその横で戦慄するばかりだったという……
