第3章 刀鍛冶の里(かたなかじのさと)
出来上がった玉鋼
それで脇差を自らで打って作り、鍔、鎺(はばき)、本来金属ではない目釘に至るまで、全て出来た玉鋼のみで鞘を除いた全てをきっちり整えた
主軸は柔らかく、外周は全て固く、統一して整えられた
折れず、曲がらず、斬れる
しかし…その完成品は
手にした瞬間、太陽を直視しているような感覚に陥り、まともに見ることすら叶わなくなっていた
「……どうやって使うんですか?;」
恵土「こ~やってえ!!」
布を被せまくり
恵土「一気に解(ほど)いて斬る!!←布を解いて斬り掛かる
まぶしいいいいいいいいいいいいいいいいい」目を覆う←大きく空振った
「無理でしょ;」淡々
鍛冶師が言い返し、即座に鍛冶師一同が皆挙って頷いてみせた
そして…
三日三晩も費やして作り上げられたそれを前に途方に暮れていると
耀哉が泣きながら、ある木を持ち出して運んできてくれていた
耀哉「えええええええええええええええええええええん!!!!
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん!!!!!!」
飛び付くや否や安堵のあまり大絶叫して泣き叫んだ後、泣き疲れて眠りに付いた
余りの大声に私の耳は当分聞こえなくなった
周囲は皆吹き飛んでいた
それから程無くして説明を受けた後
鞘は耀哉が与えてくれた木から、自ら斬り出して造った
泣きながら手配してくれたらしい
「陽光山」という"太陽に一番近く、一年中陽光が射す山"でのみ採れる猩々緋砂鉄と猩々緋鉱石という「陽光を吸収した鉄」
そこと同じ場所に生えている木々の中でも、最も力強い木を選び、枝を一本だけ貰ったのだという
樹液も共に
きちんとその後、成長出来るよう細心の注意を払って
どちらも急ぎで
刀鍛冶の里まで一日も掛からず着いてくれたお蔭で
到着して僅か四日四晩で完成した
樹液を塗料にして全てに浸して一晩に渡って、鞘も含め日輪刀の全てを漬け込み続けた
それにより光量は刀の周囲のみに留まり、影響度も威力も集中されることとなった
鍔も柄も目釘も塗料に漬け込んだお蔭か光らない範囲に収まった(材料が少なかったことも起因している)
鞘も日輪刀の光を完全に遮断してみせた
こうして…ようやっと完成した
泥のように眠り続ける耀哉を見て…私は笑ってから、同じく安堵してか眠りに付いた
