第22章 機能回復…薬？（やく？）

しのぶが幸せなら、元気で長生きしてくれるなら…何も要らないとさえ思っていた

だから……すぐには認められなかった


3歳の時…離婚出来ない原因が自分だと知った

自分が生まれて来たせいで、無惨が村に訪れ、滅ぶことになった


私が居るせいで、色んな人達が…大事な人達が…多くの人達が、筋道を大きく変えた

自分に都合良くであれ
人に都合良くであれ
歪めていることに何も変わりは無い


私が居なければ…
母と姉は、離婚して今も笑って過ごせたのかな？

私が居なければ…
今も…村の皆は、笑って過ごせていたのかな？

そんな想いが、ずっとずっとずっと…胸の中で脈打ち息衝き渦巻いている


少しでも
幸せでいられるように
元気で、長生き出来るように

なら…狙われる自分は、最初に死んだ方が良いんじゃないか？

人の為と言いながら
自分のことばかり考えちゃいないか？

大事な人達と生きたいだなんて…赦されていいのか？

自分のせいで死んだ沢山の人達は、叶わなかったのに…それを差し置いて自分だけ？

何度考えても考えても
皆の温もりに触れても
優しさに触れて願っても
胸の奥ではそんな想いがずっとずっと絶えずうねりをあげている

皆の優しさに甘えて、生きていて欲しいという願いに甘えて…甘え続けてばかりで何も出来ていないっ

現に…（耀哉と恵土の）父上だって…あんなに良くしてくれたのに、守れなかった
守りたい人ばかりが…どんどん零れ落ちてゆく度、まだしぶとく生きている自分が赦せなくなる
自分なんか守りたくないと思ってしまった

願ってしまった…自分の死を……


一番根幹を多く占めているのは…自分を大事に想う人達からすれば真逆の、醜悪極まりない内容でしか無かった


だから……
隠れ癌よりも
癌よりも
主犯格の癌よりも

どんなに酷いことをしてくる相手よりも…
何よりも……

自分が一番赦せない


人には、自分のことを赦せと言っておいて

ちゃんと生きて大事にしろよ
幸せになってな？
長生きしてな？
そんな言葉を吐き掛けておいて…

自分が一番出来ていない

こんな自分が生きて良いだなんて思えないし、願えない

反吐が出る…


私が一番嫌いなのは…自分自身だ

でも…
そんな自分でも、生きていて欲しいと願う人がいるなら
それ（大事な人の願いや想い）に応えなければ……