第20章 十二鬼月、討滅(じゅうにきづき、とうめつ)
発する光は陽光のように輝きを増し
カナエの傷(肺と左腕の付け根)を癒やし、木へもたれさせた
その中で童磨は身動ぎもせず、笑って呑気に構えていた
カナエ「恵土…ちゃん」
右手のみ辛うじて動く中、必死に伝えられた
恵土「息を吸うな?)←カナエの右手を見る
十分よく戦った
後は任せてゆっくり休んでろ」
童磨「ヒュー♪←口笛
かっこいいねえ…
それで…?どうするの?戦う?
肋は治せた?」
恵土「交わす言葉は無いと言ったはずだ」
しゅばん!!
童磨「はははは
速いね」ずるっ
頸が落ちる
塵となって消えてゆくそれを見届ける中
カナエ「気を…付けて…本体は」
恵土「本体?)
ごふっ!!!」喀血
息を抑え気味でいた肺が突如、大量出血し出した
カナエ「……はあっ
っ」涙
その涙までもが凍り付いてゆき…意識を手放すカナエ……
童磨「あー効いた?←木の物陰から姿を現す
良かったあ
これ分体←自身を指差す
…知ってるよね?
初代もやって君にやってるんだもの
ふふふっ、それを参考に作ったんだ!
凄いでしょ!?
あの方の記憶が無ければ不可能だった!!
主犯格の癌が生まれたせいで、全てが耐え切れずに消え掛けてしまって
身投げした九百七十六垓人が、君達始まりの神の為に自らを対価にしたことも知ってるよ…?
詳しくは知らないんだけれど…癌一同だっけ?
下はそれを残して、上は原初の神々界?とそれに近しい人達限定で…それ以外皆…
己の全てを投げ出して、二度と生まれてこないことも、それすらも織り込み済みで身投げしたと…
己の全てを光に変えて、主犯格の癌が癌一同の闇を爆発的に増大させ続けてるのを変えたんだってね?^^
確か、主犯格の癌の前前世では原初の精霊だけでは足りなかったんだっけ?それで九百垓人が身投げして
その後の前世じゃ、神域でも足りなくて七十六垓人が
で…君一人が生まれてから誰も犠牲にならずに済んだ!
凄いよねえ?」
恵土「がはっ
どう…やって?」
童磨「あー…喋らないで横になった方がいいよ?
死んじゃうから
慌てないで
ちゃんと説明するよ
あれ?でも俺と交える言葉は無いんだっけ?」
恵土「にゃろお」ぴきっ
童磨「あはは!まあいいや!^^
あの方から更に血を頂いたんだ
これまで与えていた上弦の鬼の血全てをね
だからこんなことも出来る」
