第20章 十二鬼月、討滅(じゅうにきづき、とうめつ)
麻竺「お前の刀の陽光でも同じことだ!
出したままでいいのか!!?
しのぶ「師匠!!(早まってはダメ!」
かちゃん!←納刀
麻竺「はっはっはっはっはっ!
とんだ愚か者だな!!
殴られて死ね!!」
その言葉に弾かれるように躯が殴り掛かる
躯4人の内、しのぶは3人を引き付けながら日輪刀を使わずに応戦していた
恵土「がはっ!
(ヤバい…肋が…
なんとか呼吸で衝撃を逃さないと!」
そんな心中の中、動く躯へ目を向けた
恵土「!じいちゃん…
じいちゃん…
じいちゃん…っ」震え涙
しのぶ「このっ←恵土を襲う躯を斬ろうとする
恵土「やめろ!
やめて…
お願い……
たった一人のじいちゃんなんだよ!(涙)
たった一人の家族なんだよ!!
守るって約束したのに、守れなかった…
たった…一人の……」ぼろぼろ
鼻水まで溢れて零れ落ちてゆく中、声を詰まらせながら叫ぶそれに……
その中でも躯は自発的に動き
地面へ押し倒して背に覆い被さられる恵土を見て
しのぶ「このっ(わなわな)←震える中3人がかりで
卑怯者!!!←関節を抑え込まれ地に伏す
何を考えてそんなこと!!!!
麻竺「お前ら化け物にはこれぐらいしないで勝てるか!!!
あの方が死力を結集せよと与えてくれた!!その力だ!!!
思う存分に味わうがいい
ざんっ!!
その言葉を遮るように、麻竺へ刀の斬撃が飛んできて肩を斬り飛ばした
麻竺「!!(瞠目)
(どこから!」
無一郎「風月流…風魔横一文字」
がさっ
麻竺の後ろの林から出てきた
無一郎「鬼の気配がするから来てみれば…
うん…
下弦の鬼だね
悪いけれど…柱になる為に、斬らせてもらうよ」
麻竺「なにをちょこざいな!!」
硬化した爪で斬り裂こうとする
後ろの林が全て切り裂かれる中
直後、無一郎は恵土の上にいる祖父を蹴り飛ばし
しのぶを抑え込んだ他の3人も殴り飛ばしていた
そのまま木を斬り付けて輪を作り、躯達を地面へ縫い付ける
しのぶ(早い!見えなかった!!)
無一郎「姉さん、伏せてて←恵土の背へ優しく撫でるように触れる
しのぶさん…姉さんをお願い」下段で構える
今なら冷静になれるでしょう?
呼吸を整えて
そう小声で囁くそれに…
しのぶは小さく頷いて刀を構え直した
動揺のあまり本来の力を全く発揮出来ていないことに…その時になってから気付いた
