第20章 十二鬼月、討滅(じゅうにきづき、とうめつ)
身雲山…
その名の通り、山中の環境がそうさせるのか
山全体が霧や雲に覆われている
しのぶ(まさか血鬼術?)
恵土「ちらっ)←しのぶを見
←瞑目し頭を振る
(気配がおかしい…なんの気配だ?」
そんな中…何かを引きずる音がした……
それと共に現れたのは……
恵土「!!!!(瞠目&愕然)
ねえ…ちゃん?」震え
しのぶ「!!←恵土を見
え?」愕然
姉と呼ばれた人を見ると、その肌は青白く…とても生きた人間には見えなかった
下弦の参「くくくくっ
ははははははっ!
面白いだろう?
(姉の頭を撫でる)
苦労したぞ?
三都村蒸発事件…
その亡骸が埋まった場所は巧妙に隠されていてなあ
公麿でもわからんかった」
恵土(公麿…!)
下弦の参「産屋敷め考えおったわい…
山の中ならそら見つからんわ!」かっかっかっ!
しのぶ「師匠、下がって下さい←左手でしのぶが後ろに押し込む
私が
下弦の参「斬るのかい?
折角会えたのに?
他の家族も後ろにおるぞ?」にやり←後ろを指差す
師匠はまともに戦える状況じゃない
そう踏むや否や、即座に身体を動かした…
しかし……
それは……戦況を悪化させた
恵土「!!
じいちゃん…ばあちゃん
お母…さんっ」じわっ涙目
後ろを振り返るや否や…
幼き頃から見れなくなった姿に
涙が溢れ、止め処なく溜まってゆく中
下弦の参「はっはっはっはっはっ!
その表情が見たかった!!」
しのぶ「その笑いをやめなさい…
さもなくば斬ります」ばっ!!
鬼の頸を斬れば
血鬼術も消えはせずとも、無力化は容易くなる!
そう考えての突貫…
だが…
ガキン!!!!
びいいいんっ!!
しのぶ「くっ!(硬い!」歯噛み
ばっ!!←再び距離を取り、恵土の側(そば)へ寄る
神刀でも斬れないなんて…!
そんな想いに応えるように、嘲笑うように、説明した
下弦の参「鬼の血を結集すれば硬化できる!
あの方から更に血を与えられたお蔭でな!!
申し遅れたが…自己紹介と行こうか?」
皺くちゃな手で、老紳士を気取った、すらりとした、細身の鬼は言い放った
下弦の参「私は下弦の参
名は麻竺(あさじく)
血鬼術は死者蘇生、死者操作
さあどうする?
日輪刀に触れただけで、躯は脆く崩れ塵と消える」
そう怪しく笑い、抜刀したままの日輪刀を指差す
