第19章 夏祭りの惨劇(さんげき)
〜夏祭りの惨劇〜
夏祭りの日
昼から雲がどんよりと漂っており
鬼も出歩けるほど曇り果てていた
その結果…1909年の夏祭りの折、二人は揃って任務へと駆り出されていた
恵土「はああああっ
金魚すくいはお預けかぁ…」深々嘆息
しのぶ「そう言えば…」
はたと思い付いた名案…
それが……今後を大きく分けた
恵土「ん?どうした?」
たんっ!
木の上を飛び着地する
しのぶも倣って隣に着地する
しのぶ「師匠って…ゴキブリが苦手でしたよね?」真剣
恵土「さあああっ!)
だ…だからなんだよ、どうしたんだよ」たじっ←真っ青、顔面蒼白
しのぶ「………(真剣)
にやり
怪しく笑うそれに、益々青ざめながら後退り
恵土「まさかっ」がくがくぶるぶる
震える声、体、刀まで音が鳴るほどの動揺ぶり
それにしのぶは確信した
間髪入れず、言の葉を、技を放つ
しのぶ「蟲の呼吸(むしのこきゅう)
茶羽虫ノ舞(ちゃばねむしのまい)
恵土「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」断末魔、脱兎
しのぶ(狙い通り!・・)だっ!←恵土の背後間近に迫る
恵土「いや!!いや!!いやあ!!!←振り返り恐怖の形相で見つめ
ぎゃあああああああああああああああああああああああああ!!!!!」前のみ見つめ必死に走る
ズババババババババババ
通り道に居る鬼を斬り裂いていった
牧羊犬のように恵土を誘導し、至る所にある鬼の気配の下へ通り掛かるよう走り続けた
日本本州を東京から京都経由で山口
九州地方の先っちょから四国地方(水の上も玖月、真月流歩法術で走れます)
大阪から新潟経由で青森
北海道地方から太平洋側を掛けて東京まで
『僅か数時間(2時間53分8秒25)』で全て回り…
一般人にはただ強風が通り過ぎたようにしか感じなかった
鬼のいる方へ向けて走って誘導する様はまさに牧羊犬
追い掛け回される恵土は狼に追われる羊?
道中
恵土「助けて!助けて!助けて!!助けて!!!助けてええええええ!!!!」反射的に鬼の頸を斬り落としまくる
『俺達が助けて…』轢き殺されて死んだ鬼達
ひゅううううう←塵となって消えてゆく
しのぶ(なにこれ!楽しい!//)微笑
心底楽しそうに追い掛け回し
終盤はずっと満面の笑顔でした
