第2章 最終選別(さいしゅうせんべつ)
『……』
とん
ずずーん!!!
恵土「間に合った」
辺りに居た者達が静かに見守る中
真月流の奥義を大木へ向けて放ち、戻し斬りで見せ付けた所だった
軽く押しただけでやっと斬られたことを自覚したように倒れたそれに…周囲は皆、目を丸くして愕然としていた
何という力だ、いやそれよりも身の丈もの太さもあるそれを叩き斬ってみせた腕が、等と騒がしくなる人達が居た
どうやら柱(はしら)という役職の人達らしい
鬼殺隊の人達にも色々と役割が在り、鬼殺隊士の最高位で九人で構成されているのだという
かなり腕が立つと見込まれたこともあって、ようやっと日輪刀を手にすることが赦された
剣術を収めてみせた
日輪刀を手にしてもよいぐらいには
それを見極める為に、柱合会議がある頃であったこともあって、ついでにと見てもらった次第だとのこと
十を過ぎた頃
すなわち今の数え方で言うと十歳の時点で、既に合格点は貰っていた
十五で元服し成人した頃、十四歳の時点では戦場に出ても大丈夫だと太鼓判を押されていた
父上「慢心は身を腐らせる
動きを滞らせ、死を招く
腐らせるな」
正能「はい!!父上!!!」
何度も交わしたやり取り…
それをつぶさに思い返し、再び素振りを始め出した
その様子に関心を覚える柱達に、お館様が与えることの可否を問い、皆が挙って可を即座に返した
成長が楽しみだ、とまで言われる中で…日輪刀を手に取る様に言われた
お館様「恵土、こちらへ上がりなさい」
恵土「!はい!」
お館様もいる一室の中へと手招きされ、その言葉のままに草履を脱ぎ、部屋へと上がった
影の差す側、部屋の下座へ
お館様「修練、滞りなく勧められたようで何よりだ
休息もきちんと取っているね?」
恵土「はい!休息も修行の内ですのでしっかりと
早めに寝ております!」
お館様「ふふっ^^
そうか…
ならば、これを
最終選別で使うといい
その後は…合格した後、君だけの刀を、刀鍛冶の里で共に造るといい
手助けぐらいはさせてくれ」
恵土「はい!謹んでお受け致します
ありがとうございます!」深々お辞儀
正座をし掌を床に付き深々と頭を下げた後、下げたまま両手を差し出して受け取り
静かに後ろへ下がってみせた
とても七歳とは思えない
愕然とする柱達をよそに、日輪刀を抜いてみせた
