第12章 新たなる柱(はしら)
愼寿郎の妻、瑠火に関してだが…
あまねの予知夢(断片的なもの)、しのぶとカナエの両親の助けもあり
無事、生存を維持することが出来た
そして…つい先日、珠世の助けもあり、無事完治したとのこと……
あまねの予知夢に従い
恵土は癒やしを使って命を数年永らえさせた結果
本来なら死ぬそれを手前勝手に歪めたことで、3日間昏睡した
(時期としてはしのぶ達を助けてから数日後、花柱に蝶屋敷で助けてもらったこともあり修行という形で返し、後の花柱生存に大きく貢献することとなった)
その間に、しのぶの両親がしのぶから直々に要請を受けて診察と治療へ行き
蝶屋敷(カナエ)の助け(主に先代の花柱の駐在と、しのぶの両親の手伝い)、縁の薬草園による薬剤提供、珠世からの知識と情報提供もあり
無事完治した
という流れである……
礼として、炎柱の書は恵土の手に渡ることとなる
恵土「本当に…いいのか?大事なものなんじゃ」
愼寿郎「構わん!瑠火(るか)の命には代えられん!!
それに…
命を…賭けてくれたのだからな(ふっ)
生死の境を数日彷徨ったと聞いている」
恵土「いや…私は、完治までは出来なかった
それに…私が動けなかったことで、柱の皆には迷惑を掛けた
ただでさえ人員不足というのに…実力不足で申し訳無い(頭を深々下げる)
無事で良かった
本当に…」涙目、心底嬉しそうに微笑する
愼寿郎「……本当に、感謝に堪えない(深々お辞儀)
数年掛けて完治するとは…
到底思えないものだった……
半ば…内心、諦め掛けていた……心が折れ掛けてしまっていた……」
恵土「こちらこそ…ありがとう
炎柱の書を譲ってくれたこと、感謝に堪えない
決して…無駄にはさせない
約束する」微笑し、真剣な顔で言い切る
愼寿郎「……感謝する」微笑
微笑し合う中で…ふと、思い出したように言われた
愼寿郎「はっ!)そうだ…
最近、私達が助けた少年がお前を探していたのだが…
紹介していいか?」
恵土「?誰だろう?)←多過ぎて分からない
ああ、いいぞ
ありがとう」微笑
愼寿郎「ふっ…ああ」微笑
そうして…二人は、笑って別れた
あまねの指示通り
愼寿郎は未来の柱である杏寿郎の育手に専念する為、数年後に引退することとなる
その炎柱の書、その教えは…私の中にあると……言って