第1章 始まり(はじまり)
そして今
恵土「お前…恐くは無かったのか?」
耀哉「?何がですか?」
恵土「私…殺気立ってただろ?
相当」
耀哉「ええ」頷く
恵土「恐くなかったの?」自分を指差す
耀哉「いいえ
…何故か…泣いているように見えたので
助けたいと思い、駆け寄りました」微笑
恵土「!……
っぷ
あっはっはっはっはっ^^
そうか…
そっかあ(じわっ)
……ありがとう」
耀哉「いえ…無事でよかったです」
そう変わらず笑う彼に…
私は、必ず守ると勝手に決めた
目に涙を滲ませながら…笑うと、不意に涙が零れ落ちて行った
耀哉「先ずは養生することです
体は資本ですからね?」
最近教わったのだろうか?
人差し指を立てながら自慢げに説教するそれに対して
つい先程身に付けられるようにという話をしていたのに
といった想いに駆られたことは内緒だ
耀哉「聞いてますか?」
恵土「聞いてます!」ピシッ!
背筋を伸ばしながら言う中、戸を何度か叩く音がした
恵土「?」
「お邪魔するよ」
ガラッ
長身の男が入ってきた
耀哉「ぱあっ!)父上!!」
はしゃいだ様子で、男へ抱き着いた
「お館様!」
お館様(耀哉の父上)「大丈夫」
焦ったように心配そうに声を掛ける隠へ
静かに手で制し、笑い掛けた
お館様「君が…(龍神の子か)
初めまして
産屋敷家の当主、鬼殺隊の纏め役をしている産屋敷炬(うぶやしきかがり)という
耀哉から話は聞いてるよ」微笑
恵土「あ、田中恵土(たなかけいと)と申します
よろしくお願い致します(お辞儀)
こんな体制で申し訳ありません」深々頭を下げる
耀哉「む、無理に動かないで下さい!!」あわあわ
駆け寄りながら云う耀哉を手で制し、お館様の反応を窺った
お館様「…‥頭を上げてくれ
頭を下げなければいけないのは私の方だ
こちらに連れてきてしまって今更言うのもなんだが…
意識が朦朧とした状態での会話、覚えているかい?
産屋敷家で引き取ることになる(姓が産屋敷に変わる)が」
恵土「……はい
私の意志は変わりません」真剣
お館様「そうか…
わかった、例のものをこちらに
色変わりも済んでいない日輪刀(脇差)だ
修行後に手に取りなさい
それまでの修練にはこちら(ただの脇差)を使いなさい」
恵土「はい!!
ありがとうございます!」深々お辞儀