第11章 新たなる来訪者(らいほうしゃ)
変わらず共に住むこと、過ごすことは何も変わりませんでした……
お互い任務で会わないこともあるけれど…
互いを気に掛け合ったり、大事にし合ったりしていたそうです…
幸せな心地、雰囲気は…一つとして変わることはありませんでした
南の森…それは標高1800kmであり
野生動物も住み着かない、過酷で険しい環境下であることから
自然の宝庫と化していた
柘榴(ざくろ)が食べれる
木苺が詰める
いつでもどこでも実がなっている
その収穫も合わせて、修行に付き合う形で行っていた
その蓄えを見せながら説明した
必ず実を8個は残すように徹底していたらしい
また次に豊作であるように願って…
恵土「山の神様にも、失礼の無いようにしないとな
恵みを分け与えてもらっているんだから」微笑
そう、手を合わせて、木に向かって祈るそれに…
しのぶも倣って祈っていた……
勝手知ったる庭
といった様相で森を飛び回るそれに…
化身も使わず、光にもならず、息も何も荒らさずに、平然と
義勇「天狗か…?」
義勇が零したそれに、すかさず恵土が答えた
恵土「龍神だ(ふっ)
なーんてな!^^
あっはっはっはっはっ!^^(高笑い)
強ち嘘じゃねーもの」
そんな言の葉に…
そう考えれば納得が行くとばかりに、カナエと義勇は挙って何度か頷いていた
しのぶに至っては気にする素振りも無く受け入れていた
義勇が免許皆伝をした後
恵土「義勇、これでもうお前に教えることは何も無い
後は…お前が教える番だ!」
義勇「……?(腕組みし首を傾げる)
一体…誰に?」
恵土「錆兎だ」
義勇「!!」瞠目
恵土「日常生活もままならないと聞き及んでいる
この動かし方さえ身に付ければ、簡単に動けるようになる
今度は…お前が錆兎を助けるんだ」真剣、微笑
義勇「………
(ぽろっ)←涙を零す
お心遣い…誠に痛み入ります」土下座
恵土「気にしないでいい
帰る時、私も付き添うよ
錆兎の怪我を治したい
一身上の都合で後回しにしてしまったこと、済まない(頭を下げる)
この形の方が良いと、独断で考え動いてしまった」
義勇「いいえ…私も、その形が一番だと思います」
恵土「ありがとう(微笑)
(がさっ)←袋を手渡す
鮭大根、縁亭の食事だ
手土産に持って帰るといい」
義勇「ありがとうございます」お辞儀
