第11章 新たなる来訪者(らいほうしゃ)
とある日のやり取り
カナエ「あらあら
まあまあ
うふふふふ^^」
むすっとした、寂しそうな顔で上目遣いをし、恵土の左手の袖を引くしのぶと
それに振り返り、そんなしのぶの顔を見て、頬を自然と赤らめる恵土
恵土が師としてカナエへ教える内、カナエにばかり話していた後のことである
カナエ「しのぶがあんなに懐くだなんて
って思ってたけれど……
そうじゃないのね(くす)
恋…」ぽつり
そんなやり取りを交わしたり
仲睦まじく二人っきりの世界に入り込む触れ合いに……
見ているこちらまで幸せな心地に陥っていたそうな……
初恋同士で
それが実ったこともあるのかもしれない…
とっても愛らしい、初心(うぶ)なやり取りに
ああ…これを記録する何かがあったらいいのに……
そんな思いに駆られるカナエに対し…
じー
蓄音機と
撮影機を
各々手に持った隠等がおり…
それに便乗するカナエの姿が、里にて散見されたそうな……
カナエ「うふふふふ^^♪」にこにこ
我関せずで気が付くことも無く…
幸せそうに菓子を一緒に作ったり
一緒に布団を干していて枕投げに切り替わったり
恵土「やったなー!」顔面に当たり接触したままの枕を持ち上げ笑いながら追い掛け回す
しのぶ「あっはっはっはっはっはっ!^^」脱兎
思う存分に余暇を楽しむ2人が…癒やしになりました
カナエ「いいわねえ…」うっとり
隠「うんうん…」うっとり
キャイキャイやり合うそれらに…
満面の笑みを浮かべ、頬を紅潮させるばかりだったとか……
柱になった後…
屋敷を与えられることになりましたが
しのぶ「師匠の…恵土の家が良いです!
これまで通り、居候させて下さい」
その場に正座し、真剣な顔で頼み込むしのぶに
恵土もまた、正座した上で真剣な顔で答えた
恵土「……
駄目だ」
しのぶ「!!
…え?(なんで…っ」青ざめ
恵土「にこっ)
これからは…これからも、お前は居候じゃない
私の唯一の家族だ
だから違う…そんな在り方は認めない(微笑)
お前は…私の大事な…一番大好きな人だからな^^」
しのぶ「師匠っ…」涙目
恵土「これからも…よろしくな!」微笑
しのぶ「はいっ!」涙、微笑
そのまま2人は抱き締め合いました
元より居候としてではなく、家族として受け止めており伴侶として捉えていたと
