第11章 目覚めのあと、名付けられないもの ※微
USJ事件の次の日は臨時休校となった。
が病院に運ばれたあと、すぐに相澤が駆けつけ夜中もずっと傍にいた。
だがの目はまだ覚める気配はなかった。
深い、深い眠り。
まるで意識が、どこか遠くへ沈んでしまったかのようだった。
相(…)
自分を治した反動で、倒れた。
それだけは、嫌というほど分かっている。
相(……無茶しやがって)
早く目を覚ましてほしい。
それなのに、眠るの顔を見ていると、胸の奥がざわつく。
静かで、穏やかで、壊れてしまいそうなくらい綺麗だった。
相「っ…」
不意に、あの瞬間がよみがえる。
治癒のためだと分かっていても、唇に触れた感触は、はっきりと残っていた。
相澤は小さく息を吐き、の手に、そっと自分の手を重ねる。
相「早く起きろ…」
昨日からほとんど眠っていなかった相澤は、そのままベッドに額を預け、の手を握ったまま、意識を手放した。
_______
コンコン
静かな部屋にノックの音が響く。
コンコン
……………
ガラガラガラ
相「!!」
扉の開く音に、相澤ははっとして目を覚ました。
反射的に、握っていた手を離す。
ゆっくりと扉が開き、複数の足音が入ってくる。
芦「先生〜…ってあれ!?相澤先生!?」
葉「居たんですか!?」
飯「何度かノックしたのですが…」
相「あー…すまん、ボーッとしてた」
本当のことは言えず、曖昧にごまかす。
相「ていうかお前ら、臨時休校なんだから家で大人しくしてないとダメだろう」
切「だって心配じゃないスか…!!」
蛙「先生の調子はどうなの?」
相「ったく…。まだ特に何も変わりはない。…いつ目を覚ますかもわからん」
八「そうですの…。心配ですわね…」
轟「…個性の反動なんですか」
相「……詳しいことはが起きてからだ。俺も詳しくは聞いてない」
爆&轟「……」
眠るを見つめながら、誰もが同じことを思っていた。
まるで、昔話に出てくる眠り続けるお姫様のようだ、と。