第10章 初めての治癒、向けられた視線 ※微
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死柄木と黒霧ははアジトに戻った。
死「いってぇ…。完敗だ、脳無もやられた。手下どもは瞬殺だ。子供も強かった。平和の象徴は健在だった。話が違うぞ先生!」
先「違わないよ。ただ見通しが甘かったね」
ド「うむ、ナメすぎたな。ところで、ワシと先生の共作脳無は?」
通信越しに、先生とドクターの声が響く。
黒「吹き飛ばされました」
ド「なに!?せっかくオールマイト並のパワーにしたのに」
先「ま、仕方ないか。残念」
死「パワー…そうだ。1人オールマイト並の速さを持つ子がいたな」
先「へぇ…」
ド「超再生はどうじゃった?」
ドクターの声には、はっきりとした関心が滲んでいる。
黒「非常に速やかでした。腕が欠損しても即座に再生。オールマイトも驚いていたように見受けられます」
ド「ほっ、そうじゃろう。あの個性を脳無に入れるのは大変じゃった…。血液から個性因子を取り出すまではいいんじゃがどうやら人を選ぶようでな…。言うことをきかん個性因子じゃったわい。ま、なんとかなったがの」
ドクターは楽しげに笑った。
先「はどうだった?」
死「…そうだ。みんなに守られて大事にされてた」
先「あの子はかわいくて、心も綺麗だ。だから、自然と人が寄ってくる」
死「……俺も欲しい」
低く、粘つく声。
死「唇も、声も……クセになる。触っただけで、全部“壊したく”なる」
死柄木の脳裏に、あの時の感触が蘇る。
守られているものを、自分の手で汚す。
それがどれほど気持ちいいか――想像するだけで、胸がざわついた。
先「おや……ずいぶん気に入ったようだね、弔」
死「あんなふうに守られてるなら、なおさらだ」
先「をこちらへ引き寄せるために、精鋭を集めよう」
通信が切れる。
黒霧が静かに立つ中、死柄木は笑った。
こうしてヴィラン連合というチープな名前の団体は少しずつ大きくなっていくのであった。